ウクライナ製品完全ガイド

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ウクライナ応援団 1
善意から物欲へ

田中祐真(著/文)
ISBN 978-4-908468-85-8
C0022 四六判 192頁
価格 2,640円 税込 (本体2,400円+税)
書店発売日 2025年4月17日

 

 

紹介

買い支えるのではなく、欲しくなってくる製品を紹介!

●UGEARS ハイクオリティ木製キット
●S.T.A.L.K.E.R. 2 もはや説明不要の大人気FPS
●Grammarly 高精度な英語校正サービス
●Atom Military ウクライナ軍御用達の電動バイク
●MAD24-U 24ドライバのハイエンドイヤホン
●ZHYLYOVA 世界を魅了するランジェリー
●Svarga エセ伝統を許さない愛国ブランド
●Guzema Jewelry 急成長のセレブ愛用ブランド
●ROSHEN 国際的一大スイーツ・メーカー
●メド・カルパート 滋養たっぷりカルパチア・ハニー
●ピヤナ・ヴィシュニャ 西ウクライナ伝統酒のリバイバル
●クワス・タラス 慣れるとやみつきの伝統飲料

コラム
・ウクライナの物価
・ウクライナ語とロシア語
・ウクライナの愛国グッズたち
・意外と輸入されているウクライナのモノ
・ウクライナ軍とミリメシ
・ウクライナ製品はどこで買える?

目次

2 まえがき
4 地図
6 目次

9 第1章 ジェット・ホビー
10 UGEARS 世界で愛されるハイクオリティ木製キット
12 ICM Holdings 細かに情景を演出するプラモデル
13 Savchenko Workshop 多種多様なナイフを扱う個人工房
14 KUROBA KNIFE 日本の包丁をリスペクト
15 BaseCamp 森や川の豊かなウクライナでのキャンプに
16 Atom Military ウクライナ軍御用達の電動バイク
17 LUAZ City ベストセラー車をEVで復活?
18 MoveOne 大型タイヤでウクライナ初の電動スクーター
19 Verum 2 期待のオーディオファン向けヘッドホン
20 MAD24-U ドライバー24基のハイエンドイヤホン
21 スマートTV 低価格高品質のウクライナ国産スマートTV
22 AJAX 信頼性の高い統合セキュリティシステム
23 ASGARD IT先進国のBOTゲーミングPC
24 ドライブレコーダー ドライバーの必需品
25 Petcube ペットとのコミュニケーションを助ける
26 コラム1 Made in Ukraine

27 第2章 アプリ・ソフトウェア
28 Grammarly 高精度な英語校正サービス
30 Reface 有名人にもなりきれる顔入れ替えアプリ
31 Jooble 世界で最も使われる求人サービスの一角
32 Depositphotos 世界最大級のストックフォト・サービス
33 Preply 言語を学び教えるプラットフォーム
34 Documents iOSユーザーなら必ず入れたい便利アプリ
35 CleanMyMac Mac向けオールインワンお掃除ソフト
36 S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl もはや説明不要の大人気FPSゲーム最新作
38 Metro Exodus ロシアの人気小説を基にしたFPS
39 Sherlock Holmes The Awakened シャーロック・ホームズ×クトゥルフ神話
40 Men of War 思わず熱中するリアルタイムストラテジー
41 Brichi Quest 開発者の今後が期待されるインディーゲーム
42 コラム2 ウクライナの物価

43 3章 アクセサリー・小物
44 Mastak クラシックかつモダンなレザーバッグ
45 LONA PRIST アヴァンギャルドな「触れるアート」
46 JUNA 戦時下に生まれた明るい色彩のハンドバッグ
47 POELLE 使うごとに洗練されていくエレガントさ
48 NÚKOT 2000年代のトレンドを再解釈
49 B33 ブチャの復興に貢献するレザーバッグ
50 Horondi 前科アリ元ホームレスのお手製リュック
52 GUD 耐久性抜群のシティバックパック
53 bagland 大人用から子供向けまで3Д揃ったリュック
54 Guzema Jewelry 急成長を遂げたセレブ愛用のブランド
56 Alona Makukh Jewelry 大粒の原石のインパクトは大
57 INDIRA アジアン過ぎないオシャレなインドアクセ
58 Titowa Jewellery メッセージのこもった愛国的アクセサリー
59 ヤンタール・ポリーシャ リーウネ産琥珀で作られるアート
60 KLEYNOD ウクライナを代表する腕時計ブランド
61 Nixoid LAB 真空管を使ったレトロ×近未来ウォッチ
62 Kristan Time GOTやバイキングの世界観をその腕に
63 andywatch 自分スタイルの時計が必ず見つかる
64 KLAMRA 古代から受け継がれるフツルの工芸
65 LUY 自然と一体になれるレザーブレスレット
66 Mastak 便利でコンパクトなレザー小物の数々
67 POELLE メンズ向けレザーアクセサリーが充実
68 Boorbon 小物がたくさんのハンドメイドレザー
69 Couture Parfum お手頃価格でユニークなフレグランスを
70 Trip:Tych 自然にインスパイアされた香水ブランド
71 コラム3 ウクライナ語とロシア語

73 第4章 アパレル
74 Varenyky Fashion 日常的に着られるファッショナブルな伝統衣装
76 Gaptuvalnya 自分の道を拓くユニークなヴィシヴァンカ
77 Etnodim 自由な気風から生まれた現代ヴィシヴァンカ
78 Svarga 「エセ伝統」を許さない愛国ブランド
79 Aviatsiya Halychyny 肩の後ろに翼を感じる人のために
80 JASMINE 国内外で展開する有名下着ブランド
82 Pantiesbox ショーツに特化したオンラインショップ
83 brabrabra すべての女性に快適な着用感を提供
84 U-R-SO なりたい自分を助けるミニマリストブランド
85 ZHYLYOVA 世界を魅了するデザインのランジェリー
86 DARI CO 最新トレンドの若者向けブランド
87 SCOWTH カラフルなスポーティアンダーウェア
88 Kachorovska 家族経営で始まったウクライナ版PRADA
89 Maletskiy サッカー少年が立ち上げた靴ブランド
90 Artell 人気を集める「自分が履きたいもの」
91 Celestial 近未来的なエコシューズ
92 ミリタリーブーツ 本格的軍用ブーツをレジャーの実用品に
93 ワッペン 伝統を取り入れたワンポイント・アイテム
94 Dodo Socks 日本でも展開!鮮やかで温かな靴下
96 SKIPPER ウクライナを代表するお手頃ベルトメーカー
97 POHUY 放送禁止用語が表す強いメッセージ
98 RITO ザルジニーリスペクトの愛国ニットスカーフ
99 CRAVATTA おしゃれでカッコいいレディースネクタイ
100 Etno Moda ぜひとも手に入れたい刺繍入りネクタイ
101 コラム5 ウクライナの愛国グッズたち
102 コラム6 ウクライナのお土産・工芸品

103 第5章 家具
104 ‘+kouple デザイン性の高い照明特化のインテリア
106 DROMMEL 余分を廃したスカンジナヴィア家具
107 WOODWERK 木製家具こそ「本物の家具」
108 Levantin design 前衛芸術の要素を持つデザイナーズ家具
109 KONONENKO ID 既存の枠組みに収まらない独自の世界観
110 コラム7 意外と輸入されているウクライナのモノ

111 第6章 フード
112 サーロ コサックから受け継がれる伝統料理の代表格
114 ソーセージ(ソスィスキ) 毎日の食卓に登場するソーセージ
115 ボイル・ソーセージ ソ連で生まれた今でも親しまれるソーセージ
116 ボイルスモーク・ソーセージ おやつや前菜にピッタリのマイルドな味わい
117 セミスモーク・ソーセージ 歴史あるスモーキーな半燻製肉
118 ドライスモーク・ソーセージ 固く強い味わいはやみつき
119 ドライ・ソーセージ 癖はあるが旨い!まさに珍味
120 トゥションカ 軍用から民用に普及したお手軽肉缶
121 Manor of the Blonsky family 国内避難民が生み出したオリジナルチーズ
122 Dooobra Ferma ジョーク好きな職人のドーーーブレなチーズ
123 セリシカ・スィロヴァルニャ スイスに学んだクラフト・チーズの先駆け
124 きゅうりのピクルス(塩漬け) スラヴ伝統のキュウリのピクルス
125 きゅうりのピクルス(酢漬け) おやつや料理に欠かせない
126 野菜のイクラ 「イクラ」は魚卵のみにあらず
127 ボルシチのもと ウクライナ料理のシンボルをお手軽に
128 ヘルソン風ソース トマト一大産地ヘルソンの心
129 シャシリク用ケチャップ 旧ソ連人とのバーベキューには必携
130 スパイスソース 様々な料理に色とりどりの味付けを
131 Tato Pepper Jam オヤジの特製トウガラシ・ベリージャム
132 BEEHIVE 最新技術で生産される高品質ハチミツ
134 Mel Apis 輸出に特化した4つのハチミツ
135 メド・カルパート 滋養たっぷりのカルパチア・ハニー
136 クリーム・ハニー 退役軍人立ち上げブランドの味付けハチミツ
137 はちみつ漬けナッツ 古くから食べられる自然由来の健康食品
138 ROSHEN 国際的一大スイーツ・メーカー
140 Lviv Handmade Chocolate チョコレートの都リヴィウの「良き甘味」
141 13beans 男たちの生み出すユニークな手作りチョコ
142 Svitoch 密輸してでも食べたい老舗のチョコ

143 第7章 ドリンク
144 ピヤナ・ヴィシュニャ 西ウクライナ伝統酒のリバイバル
146 チザイ トロヤンダ・カルパート カルパチア山脈が育んだデザートワイン
148 チザイ フルミント 「チザイ」を代表するドライ白ワイン
149 チザイ カルパチアン・ゼクト カルパチア伝統のスパークリングワイン
150 トラミネール・オランジュ 伝説のテニス選手が作るオレンジワイン
151 ビオロジスト イントリガ バイオ・ダイナミック農法によるエコワイン
152 ギギ ルカツィテリ ジョージア生まれウクライナ育ちの白ワイン
153 アルタニア 赤 潮風と太陽が育てたマニアックな逸品
154 サタデー・ドリーム 2021 マグナム バリック 情熱が生んだクラフト赤ワイン
155 チェリー・ナリウカ ワイナリー・メイドのナリウカ
156 ナリウカ ハリチナ地方に受け継がれるリキュール
157 ミクリン・ウイスキー 歴史ある酒造所の秘蔵ウイスキー
158 コニャック「チャイカ」 ウクライナ最高と名高いコニャック
159 ブランデー「カルパーティ」 香り豊かなウジュホロドのブランデー
160 ホルティツャ 世界で知られるウクライナ・ウォッカの代表
162 フリブヌィ・ダル 天然水仕込みの「パンの贈り物」
163 コザツカ・ラーダ 現代に生きるコサックの魂
164 ロハン 井戸水で造られた飲みやすいビール
165 オボロン ウクライナ最大のビールブランド
166 チェルニヒウシケ チェルニヒウ伝統のモルトの旨味
167 リヴィウシケ ギネスを凌ぐその歴史
168 ミクリン・ビール 500年以上受け継がれる貴族御用達
169 ベルディチウシケ 清らかな水で仕込まれた保存料不使用ビール
170 クワス・タラス 慣れるとやみつきの伝統飲料
171 ジフチク 一世代を育てた国民的ドリンク
172 ブルー・ティー 色彩変化美しいフラワーティー
173 そば茶 ウクライナ人注目の健康茶
174 カルパチア・ティー カルパチアの自然を感じる手軽なブランド
175 コラム11 ウクライナ軍とミリメシ

177 第8章 日本では買えないもの
180 小型飛行機 アントーノフの技師が作る個人用軽量機
181 アパート・マンション キーウ最高額のセレブ物件
182 Zbroyar Z-008カービン ウクライナ産高精度ライフル
183 ウクライナ国家栄典 ウクライナの栄典
184 ヴォロダル・オブリーユ 世界記録を打ち立てた「地平線の支配者」
185 エア・ライフル 広く普及している競技・狩猟用空気銃
186 保護動物(ヨーロッパバイソン、ロシアデスマン、ヨーロッパヤマネコ)
188 コラム8 ウクライナ製品はどこで買える?

190 参考文献
191 あとがき

前書きなど

2022年2月24日にロシアの全面侵攻を受けた東欧の大きな国ウクライナは日本でも一躍注目を集め始めました。しかし、多くの日本人にとってのウクライナは未だに「ニュースで見る遠い国」なのではないでしょうか。青と黄色の美しい国旗やボルシチは知っていても、戦争の恐ろしく、悲しいイメージが先に立ってしまい、そこで人々が実際にどんな日常生活を送っているのか、日々どのようなものを使って、食べているのか、お店ではどんなものが売られているのか、ということまで知っている日本人は実はごく少ないのだろうと思います。
ロシアの全面侵攻当初から、日本は岸田文雄内閣総理大臣(当時)を筆頭に国家を挙げてウクライナへの支援を開始しました。また非常に多くの国民がウクライナに同情し、共感し、応援を続けています。駐日ウクライナ大使館やNGOなどを通じて寄付をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「かわいそうな被害国や人々に施しをしてやる」という一方的なフェーズはもう終わりを迎えつつあります。戦中から各国の支援の下で戦後を見越した国内の復旧・復興を進めてきたウクライナとの間では、今後は日本から何かを与えるだけではなく、それと同時に日本に無い経験・知見、モノ、技術をウクライナから学び、手に入れるという対等なパートナーとしての関係が始まるのです。その大きな一角を支えるのが経済、ビジネス、そして個人レベルでの経済活動・交流でしょう。つまり、消費者レベルではこれからはウクライナの製品を「応援のために買う」のではなく「ほしいから買う」という当たり前のことが当たり前に行われることを目指すのが日・ウクライナ関係にとって重要な要素となってくるであろうと見込まれます。
他方で、ウクライナへの関心が高まる中で新たに日本に進出・展開したウクライナのメーカーや製品もありますが、まだまだ気軽に手に入るものが少なかったり、そもそもあまり存在を知られていないものが多くあるのが現状です。そして何より、これらのメーカーや製品ですら数あるウクライナ製品の中のほんのごく一部にも満たないのです。
都市部には外国の企業やブランドの店舗も多く見られ、また農業国のイメージが強いウクライナですが、実は農産品や食品など以外にも多くのメイド・イン・ウクライナ製品が作られ、国内はもちろんヨーロッパをはじめとする世界各国に輸出されています。旧ソ連時代や場合によっては近世ごろから、ときには形を変えながら続いている企業がある中、1991年の独立後、特に2000年代からは個人ビジネスやITを中心としたスタートアップとして始まり、製品の質の高さやユニークさで人気を集め成功を収めている企業やメーカーもどんどん増えています。2014年にロシアの侵略が始まって以降(ウクライナではロシアの侵略、つまりロシアからの防衛戦争はクリミア侵攻のあった2014年から10年以上にわたって続いていると考えます。2022年2月以降の戦いはロシアの「全面侵攻」や「全面戦争」と呼ばれます)は、生活の基盤と拠点を失って国内の他地域に移住した人々などがInstagramやFacebookといったインターネット上のプラットフォームを大いに活用して自作の製品を販売し、人気を得てビジネス化しているケースも多く見られます。その品質やデザインは日本や他の主要先進国メーカーの製品に劣るものでは決してありません。
そんなウクライナ製品をもっと多くの日本人に知ってもらいたい!という思いで書かれたのがこの「ウクライナ製品完全ガイド」です。また、個人レベルを含む日・ウクライナの互恵的な関係の発展に少しでも貢献したいという想いから、手放しでウクライナを応援している者を揶揄するワードである「ウクライナ応援団」を敢えてシリーズ名として採用しています。その第一弾となる本書では、筆者の独断と偏見に基づいて純粋に「これほしい!」と思えるような製品・ブランドを選び出し、「ガジェット・ホビー」「アプリ・ソフトウェア」「アクセサリー・小物」「家具」「フード」「ドリンク」それから「日本では買えないもの」の8つのカテゴリーに分けて紹介します。

この本を手に取ってくれた方が、こんなものがあるのか、こんなものまで作っているのか、という新たな発見を得て「ほしい!」と思ってくだされば嬉しいです。逆に本書を読んで「今使っているこれ、ウクライナのものだったのか!」という驚きを感じていただける場合もあるのではないかと期待しています。さらにウクライナの製品を少しご存じの方でも「この製品/企業/ブランドにはこういう歴史や経緯があったのか」と興味を深めていただけるのではないかと思います。
日本から直接購入できないものも多く含まれていますが、「ほしい!」と思ってくれる人が増えれば増えるほど、将来的に日本でも手に入る可能性が大きくなるはずです。本書がなんらかのきっかけとなって、ウクライナ製品の日本への輸入を検討したり新たなビジネスを始めたりしてくれる企業や個人事業主さんが増えてくれたなら、これ以上の喜びはありません。
どんな分野や領域においてもまず重要なのは「知る」ことでしょう。ウクライナに興味がある人もそうでない人も、本書の中に興味を惹かれる魅力的な製品が必ず見つかるはずです。その小さな興味からウクライナという国を少しでもより深く知ってくれる人が増えることを願っています。

著者プロフィール

田中祐真(タナカ ユウマ)
1991年岐阜県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア・東欧課程卒、東京大学大学院人文社会系研究科欧米系文化研究専攻修士課程修了。これまでに日本大使館専門調査員(カザフスタン、ウクライナ)、国際協力機構(JICA)専門嘱託、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員として勤務。専門はスラヴ語学、ウクライナや中央アジアなど旧ソ連諸国地域研究。

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