山中明著『ソ連ファンク 共産グルーブ・ディスクガイド』の重版(第2刷)が決定いたしました。

本作は2022年1月の発売直後、2月24日のロシアによるウクライナ全面侵略開始という未曾有の事態に直面しました。世界が激変し、「ソ連」や「共産趣味」というテーマには重い「不謹慎感」が漂い、プロモーションが極めて困難な状況に陥りました。

さらにコロナ禍によるイベント自粛が重なり、逆風の中での船出となりましたが、本書の価値は揺るぎませんでした。地道な支持を受け続け、気づけば在庫は払底。Amazonでは転売が横行し、それすらも消滅して「絶版・重版未定」の状態が続いていました。

しかし、その間も山中さんのX(旧Twitter)での楽曲投稿は連日バズり続け、高円寺マシタ等のDJイベントでも熱狂を呼んでいます。弊社には重版を望む声が絶えず届いておりました。

一方で、出版直後の2022年春から加速した歴史的な円安とインフレは、印刷・製本代を急騰させました。当時の低価格設定のまま重版すれば、原価率が異常な数値となり、採算を度外視せざるを得ません。物価安定を待ち「増補改訂版」として再出発する道も検討しましたが、現在の高市政権による「積極財政」の方針を見るに、円安に歯止めがかかる兆しは皆無です。

もはや、利益や合理性の次元ではありません。 損益分岐点がどれほど歪もうとも、「価格据え置き」でのシンプル重版を決断しました。

本来、在庫が切れた瞬間に重版すべきでしたが、円安インフレの波に翻弄され、結果として機会損失を招いたことは否定できません。今回の重版は、出版社としての利益確保を放棄した、半分「慈善事業」のようなものです。

次はないと断言します。第2刷が消滅する前に、早急に確保されることを強くお勧めいたします。

また、本作に限らず、弊社には原価高騰により「一度切れたら二度と出せない(入手困難になる)」本が複数存在します。買えるうちに、どうか手にとってください。

宣伝というよりは、弊社の切迫した台所事情の独白となってしまいましたが、これが現在の辺境出版のリアルです。