突然ですが『ビートダウン・ハードコア・ガイドブック』を出版します。著者は宮本一高さんで『世界過激音楽』シリーズの第24巻目になります。

宮本さんは『NEW BREED SCENE』というブログで、ビートダウン・ハードコアについて長年詳しく紹介され続けてきました。

ニュースクール・タフガイ・HxC

ハードコア系で最重量級!!

ハードコア、パンク系の書籍は弊社としては初めてとなりますが、ビートダウン・ハードコアは部分的にデスメタルにも侵食しており、ハードコアのサブジャンルとしては最も激しく、重たい部類に入ります。

ミドルテンポのリズムにダウンチューニングされたグルーヴィーなギター、金属質でハンマーのような重いリフ、ブレイクダウン、鉄球を落としたようなドラムとベース、そしてニューヨーク・ハードコア特有のヒップホップから影響を受けた歌唱法に、怒声をあげるギャング・ヴォーカルが絡むサウンドスタイルです。

また仲間意識やタフガイと呼ばれる不良精神、マッチョな男性主義、ギャングのような暴力行為が、ビートダウン・ハードコアのアティチュードとなっています。

Bulldoze ビートダウン・ハードコア創始者
25 ta Life タフガイ・アティチュード全開
Shattered Realm デスメタルを融合
Cold as Life デトロイトの極悪ハードコア
Hoods メロディック折衷西海岸代表
Nasty ヨーロビートダウン代表
Knuckledust UKワーキングクラスプライド
Cold Hard Truth 猟奇的スラミングを導入
Rise of the Northstar ヤンキー漫画影響で特攻服を着るフランス人
LOYAL TO THE GRAVE、NUMB、SAND 日本を代表する世界レベルのバンド達

チラシに載せている代表的なバンドは上記に絞られていますが、他にも世界中から膨大なバンドを載せています。

514バンド、593枚もの音源を紹介しているのですが、チラシに載せられる枠には限界があるので、厳選するのに非常に苦労しました。

そしてビートダウン・ハードコアの世界でも有名で影響力の大きい複数のバンドのインタビューを載せています。

インタビュー

・Bulldoze
・Fury of Five
・Cold as Life
・Knuckledust
・Six Ft Ditch
・LOYAL TO THE GRAVE
・NUMB
・SAND

シーン内での結束力が強く、なかなか外部からは近づきがたいジャンルなので、本書を制作する上で一番苦労した部分かもしれません。

しかしメゲずに果敢にアタックし続けていった結果、ビートダウン・ハードコアのジャンルそのものを生み出したBulldozeを筆頭に、数多くのカリスマ的なバンド達に応じてもらえました。

またビートダウンを知るうえで有益となるコラムを複数用意しました。チラシではスペースの都合上、端折っていますが、

コラム

・レーベル解説
・ハードコア・シーンのドキュメンタリー
・ビートダウン・ハードコアの先駆者たち
・世界最大級フェス主催する2代目ヴォーカル、Joe Hardcore
・タフガイ・ハードコアの一大中心地のニュージャージー・シーン
・ビートダウンと親和的かつ対局的なヴィーガン・ストレートエッジ
・マサチューセッツで発展したハードコアとメタルの折衷メタルコア
・人種、民族、ジェンダーが多様なボルチモア・ハードコア・シーン
・ブルータル・デスメタル由来のスラミング・ビートダウン・ハードコア
・日本全国のシーンをサポートし続けるブログ『Terminal』
・アジアのハードコア情報サイト『Unite Asia」

それから今回は西海岸シーン、特にNYHC、NYDMに関して日本で最も知識を保有していることが確実視されている、ちゃんくぼさんに(@meraudersin1)「NYDMとビートダウン・ハードコアの違い」「ビートダウン・ハードコアにも影響を与えたNYHC」の2つのコラムを書いてもらっただけでなく、日本のカリスマ的バンドNumbへのインタビューワーとして協力してもらいました。

そしてそれだけでなく、弊社から『ブルータルデスメタルガイドブック』『デスコアガイドブック』『Djentガイドブック』『テクニカル・デスメタル・ガイドブック』など沢山の本を出され、比較的ビートダウン・ハードコアにも近い立ち位置にいる脇田涼平さん (@riffcult) には「デスコアの発展に大きく寄与したビートダウン・ハードコア」のコラムを寄稿してもらいました。

もはや完全フル装備状態のビートダウン・ハードコアの学術研究書と言ってもいいぐらいの内容です。

円安が続いた状態で辛いですが、ジャケットやバンド写真を白黒で見せるわけにはいかないので208ページのオールカラー。それでいて原価がもはやデンジャレスゾーンに達している2800円。今回も初版が売り切れたら、重版はかなり困難な状態なので、欲しい方は確実に早めに確保しておくことをお勧めします。

11月下旬には販売開始の予定です。ぜひ買い支えて(サポート)して頂ければありがたいです。