突然ですが『エセ商標権事件簿』を出版します。『過剰権利主張スタディーズ』シリーズの第一弾だった『エセ著作権事件簿』の続編で、著者は同じく友利昴さんです。

副題は『商標ヤクザ・商標いじめ・言葉の独占・商標ゴロ』。今回は商標―すなわち言葉、名前、マークなどの独占所有に執着した人々が引き起こした事件簿がテーマです。

断捨離事件 言葉狩りを目論むエセ商標権者は断捨離だ!
面白い恋人事件 パロディを理解しないカタブツ社長
ピンク・レディーdeダイエット事件 パブリシティ権の限界!
ゆっくり茶番劇事件 ユーチューバーの騒動で大迷惑!
フランク三浦事件 パロディ商標はなぜ本家に勝訴できた?
ペンパイナッポーアッポーペン事件 世界のりんごは俺のもの!
銃夢ハンドル事件 高名漫画家が無実の若者に改名を迫る!
モンスターエナジー事件 モンスタークレーマーは連敗中

あの⼈たちの茶番劇をまとめて断捨離! 話題になった多くの商標騒動、商標事件の顛末や裁判例を詳しく解説。

そしてなんと今回は巻頭で16ページを使って、一部の事件について、争点がより分かりやすく伝わるように、色付きで比較できるカラー画像を掲載しています。

また商標にまつわる各種コラムも用意しています。

・『みんなのもの』を 商標登録する人々
・エセ商標権を主張し 逆に訴えられた人々
・エセ商標権ならぬ珍商標大集合!
・一流ブランドは何をきっかけに「商標いじめ」を開始する?
・商標ライセンスで一攫千金は可能なのか?

前作『エセ著作権事件簿』はクリエーターや漫画家、編集者など多くの方々から絶賛と共感の嵐を頂きました。2回重版しています。

つい先日も友利さんの漫画トレース裁判の紹介ツイートが1万近くRTされていました。

近年、ますますエセ著作権の問題が顕在化してきています。

『エセ著作権事件簿』が大きな切っ掛けとなり、「エセ著作権」という概念が一般的にも知られるようになりました。

『エセ商標権事件簿』では本の装丁や似たような書名、パロディなど前作では紙幅の制限から十分扱えなかったエセ著作権に近い事例も複数、より掘り下げて取り扱っています。

またメインテーマの「エセ商標権」に関しても、商標ヤクザによるゆすりや恐喝、商標登録によって言葉が独占できると思い込んでいる人たちの無知な横暴さなど、企業の法務部やブランディング・マーケティング部門で働く人々にはとても参考になるエピソードが満載です。

そして「エセ商標権」を主張し、返り討ちにあって裁判で否定されたり、⼤バッシングを受けた事例も、個人にまつわるものから有名ブランドにまつわるものまで、多数分析しています。

『エセ商標権事件簿』は、はた迷惑な商標ゴロを一掃し、一部の一流ブランドの行き過ぎたブランド保護活動に再考を促し、また手前勝手で無知な個人の暴走を踏みとどまらせる、抑⽌効果も⽬的としています。

さて、またしても496ページという大著で、上巻・下巻の2冊に分けても良い分厚さになってしまいました。

また『エセ著作権事件簿』を出版してから、印刷製本代がインフレによってだいぶ値上がりしてしまいましたが、同じ2500円に抑えました。常識的に考えれば3000円を超えても良い内容と分厚さです。

出版差し止め請求などの妨害が入らなければ、12月中旬には店頭に並ぶ予定です。