突然ですが『ヒップホップアフリカ サブサハラ49ヵ国ラップ』を出版します!

『ヒップホップグローバル』の第1弾の『ヒップホップコリア』、第2弾の『ヒップホップ東欧』に続く第3弾です。

著者は弊社から『中国抗日ドラマ読本』を皮切りに『コロナマニア』『中国テレビ番組ガイド』を出版されている岩田宇伯さんです。

守備範囲の広さが凄まじいですが、日々Twitterのアカウント @dqnfr でアフリカのヒップホップ情報を発信されており、その知識は確かです。

逆輸入なのか? それとも発祥の地なのか?

今やアメリカに逆輸出されるだけでなく

世界を席巻するアフリカンラッパーを徹底紹介!!

ヒップホップは言うまでもなくアメリカの黒人によって作られたと言われていますが、その黒人のルーツはアフリカ大陸。

Daara JのFaada FreddyやPositive Black SoulのDidier Awadiは「元々アフリカにあったものが還ってきた」という主旨の発言をしています。

近年はDrake、Beyoncéなどとコラボし、Billboardで1位を獲得したNaijaの巨人Wizkidや、ソマリアからカナダに逃れワールドカップのテーマソングを作ったK’Naanが世界的に有名です。

またウガンダのNyege NyegeのサブレーベルHakuna Kulalaから、ハードコアテクノをバックビートに混ぜたEcko Bazzが登場して話題になりました。

今やアメリカの一般音楽リスナーだけでなく、全世界の最先端音楽マニアの間でも重要な位置を占めるアフリカのヒップホップ。

一方でスーダンやニジェール、ブルキナファソ、ガボン、マリなどでは政情不安も伝えられています。

未だに世界最貧国・失敗国家も多く、情報も希薄で、それ故に天然シーラカンス、ガラパゴス化した珍妙で独特な勘違い系ラッパー(?)たちが人知れず潜めきあっているエリアでもあります。

本書『ヒップホップアフリカ』ではそんなアフリカのヒップホップに着目しました。

K’Naan ソマリア戦乱逃れカナダへ
DJ Arafat 事故死セネガルCoupé-décalé
Ecko Bazz ウガンダNyegeNyege
Emmanuel Jal スーダン人民解放軍元少年兵
Prophets of da City アパルトヘイト時代有色人種居住区出身
Wizkid  Naijaの巨人
Yao Bobby ノイズ接近するトーゴ
Lij Michael  アフロ演歌ヒップホップ融合
Temesgen Ghide エリトリア伝統意識し過ぎで民謡
Gyedu Blay Ambolley 世界初ラップ?ガーナ歌謡Highlife

このチラシに載せられるのはごくほんの一部で、実際には231人のアーティストを紹介しています。

サントメプリンシペやギニアビサウ、エスワティニ、レソト、カーボベルデといった小国からも必ず最低1人は紹介する縛りを設けました。

ただし実際、アフリカには数えきれないほどのラッパーたちが日々登場しており、全てを網羅するのは不可能です。

見た目も面白い為、オールカラーで紹介する必要があり、224ページ以内で収めるという制約がありました。

そこで本書としては、まずは特に重要で有名なアーティストを優先し、それ以外にはクォリティが高いもの、個性的なものをピックアップしました。

アフリカのヒップホップの「コレクション」ではなく、「セレクション」としての指南書を目指しました。

ただしアーティスト主体で取り上げたのは231人ですが、実際に本文で言及されているアーティストの数は600人を超えています。

インタビュー Black Noise, Akatsuki SN Collo …etc

またグローバルに統一されたメタルやテクノシーンとは異なり、ラップは言語に制約があり、それぞれの国や言語圏で成り立っており、ドメスティック志向なのでなかなかコンタクトしづらいですが、なんとか何人かのアーティストたちにインタビューすることに成功しました。

謎の中華スマホ・スポンサーTecno
アフリカ産ストリーミングBoomplay
Hiplife, Bongo Flava等サブジャンル解説

それから沢山のコラムを用意しました。このチラシに載っているのはごく一部です。

他にも「アフリカンヒップホップのdigり方」「Afrobeats呼称問題、そしてStreet Hop」「ヒップホップの祖先、西アフリカのグリオ」などあらゆるコラムを設けています。

アフリカ音楽の本は結構出ており、アフリカンポップスは当然『デスメタルアフリカ』(弊社刊行)という本まで出版されているにも関わらず、なぜかヒップホップは出ていませんでした。

その人気は世界中の若者の間でロックを抜き去ったと言われるヒップホップ。そしてその発祥の地とも言われるアフリカのヒップホップにフォーカスした『ヒップホップアフリカ』。

本来もっと早く出ていなければいけないものでしたが、10月中旬発売予定です。

A5判並製オールカラー224ページで、資源インフレで苦しい状況ですが、2400円という自己犠牲サービス価格。

マニアック情報で定評のある岩田宇伯さんの渾身の調査能力で全てが明るみに。

ぜひお手にとってみてください。