突然ですが『メロデスガイドブック 北欧編』を出版します! 著者は内藤智裕さんで、『世界過激音楽』シリーズのVol.19です。
当初は1冊で予定していたのですが、あまりにもジャンルの規模が大きく、『北欧編』と『世界編』の2冊で別けることになりました。
まずはシーン発祥の地スウェーデンや二番手フィンランドにフォーカスした『北欧編』です。『世界編』も大半が出来上がっており、なるべく早い出版を目指しています。
さてこのメロディック・デスメタル、通称「メロデス」はエクストリームメタルでも最も親しみやすく、特に日本で人気が高いサブジャンルとして知られています。
ホラーや残虐性がベースのデスメタルに対して
個人の悲しみや孤独などの精神世界、
メロディやハーモニーを導入し始める
当初は馬鹿にされながらも、徐々にデスメタルを超えるほどに規模を
拡大し、ヘヴィメタルを代表する新たなジャンルへと成長していく
腹違いのブラックメタルとは当初はいがみ合いながらも、人脈を共有。ヴァイキングメタルとは並走しながら共に成長していきます。
哀愁や耽美性の点においてはゴシックメタルやドゥームメタルと基盤を共通しており、相互に影響を受けながら発展。
自国の民族音楽や歴史に影響受けて個性を確立する風潮が1990年以降にメタルシーンで広がってからは、フォークメタルとも密接に繋がっていきます。
さらにヨーロッパだけに留まらず、アメリカの地でハードコアがメロデスの叙情的な旋律を取り入れた過程で、メタルコアが誕生し、大きなパラダイムシフトを生み出していきました。
この通りヘヴィメタルを代表する巨大サブジャンルと化したメロデス。
近年メタルに興味を持った人がまず初めに門を叩く入門的、大衆的ジャンルとも言えるでしょう。
In Flames商業的に最も成功At the Gates米メタルコアに影響Dissectionメロデス・メロブラ先駆者Arch Enemy日本で大ブレークDark Tranquillity世界一美しいデスヴォイスSoilworkモダンメロデス開拓Amorphisカレワラ吟遊詩人SentencedノーザンメランコリックEdge of SanityマルチプレイヤーDan SwanöChildren of Bodomネオクラ導入、死に神早死に
ご覧の通り、ラウドミュージックファンなら、デスメタルマニアでなくても知っている、名前を見たことがあるバンドが多いのではないでしょうか。
本書ではこういった大御所はもちろん無名、マニアックなバンドを189、そして音源533枚を紹介しています。
インタビュー
Fredrik Nordström
Sacramentum
Insomnium
Hypocrisy
Soilwork
…etc
更にインタビューはこういった簡単には掴まえにくそうな有名人たち。
コラム
書籍『スウェディッシュ・デスメタル』
Necrolord、Mercyful Fate
メロデスとメロブラの違い
北欧メタルスポット案内
…etc
随所で捻ったコラムも挿入して、よりメロデスに対する理解が深まるように工夫しています。
エクストリームメタルサブジャンルでも最も巨大、かつ人気のメロデス。
マニアックで定評のある『世界過激音楽』シリーズも、とうとうメタル界きっての超メジャージャンルに到達しました。
今までの『世界過激音楽』はよく分からなかった、別ジャンルを愛好する方々や、激しい音楽に興味を持ち始めた初心者はもちろん、従来からメロデスを愛好しているマニアックなファンにもお勧めです。
208ページでオールカラー、2400円。9月15日頃までには書店やレコードショップ、オンライン書店で取り扱いが始まる予定です。