突然ですが『トルクメニスタン・ファンブック』を出版します! 今話題でとうとう4刷りにまで達している『ウクライナ・ファンブック』に続く、シリーズ『ニッチジャーニー』の第2弾で副題は「中央アジアの知られざる国」です。

著者は東京外国語大学出身で現在トルコ在住、過去にトルクメニスタンに住んでいたギュルソユ慈さんです。

新大統領選出 祝国交樹立 30周年!

つい先日、第3代大統領にセルダル・ベルディムハメドフが選出され、今年は日本との国交樹立30周年の節目となる年です。

天然ガスによって潤い、伝統と近未来が同居する
謎に包まれた永世中立国の本邦初となる概説書

トルクメニスタンというと事情通からすると中央アジアでも最も難易度の高い、謎めいた国として有名です。

世界の中でも「最も観光客が訪れない国トップ10」の常連だそうです。

今までガイドブックの類は存在せず、ネットでの情報も非常に乏しい状態でした。調査執筆するには、世界でも最も難易度の高い国の一つである事は確実です。

しかし今年は新時代の幕開けとなる年で、本邦初の概説書としての出版に相応しいタイミングになったのではないかと思います。

アシガバット■大理石に覆われた白亜の近未来都市
地獄の門■砂漠で燃え盛る巨大クレーター
装身具■世界中にコレクター
絨毯■部族のアイデンティティ
アハルテケ■アレクサンドロス大王や武帝を虜にした世界最古の馬
ルフナーマ■ニヤゾフ元大統領が書いた「聖典」
トルクメン料理■ラクダの乳の飲料、乾燥メロンなど
全国のみどころ完全ガイド■メルヴ・ニサ遺跡、自然遺産、カスピ海リゾートまで
ギネスブック■「世界最速の馬の10mの後ろ足立ち歩き」「世界で最も高密度に大理石で覆われた建物が存在」「世界最大の星型建設物」等、競合相手がいなさそうな分野で独走

民族の成立、歴史、天然ガス、日本との関係、音楽・ドラマなどポップカルチャー、スポーツ、民族衣装の作り方等

など知られざる国の知られざる魅力や特徴をとことん掘り下げています。

・豊富なカラー写真
・トルクメン語会話帳
・レストランガイド
・アシガバット市街地図
・網羅的な参考文献

驚嘆すべき魅力的な絶景や表情豊かな人々の写真をもちろんオールカラーで載せています。

実は今回、文字数と写真数が多くなってしまい、今までと比べてページ数が16ページ増加した240ページです。

しかも資源インフレで印刷製本代が上昇してしまいましたが、企業努力によってどうにか定価2500円を維持しました。

日本でも稀なトルクメン語会話帳やアシガバットのレストランガイド、市街地図も掲載しています。

そして情報が限られた国なので、日本で手に入る参考文献を網羅的に載せました。

この1冊でトルクメニスタンの必要な事が全て分かると言っても過言ではないでしょう。

なおシリーズが違うだけで、「連邦制マニアックス」の『タタールスタンファンブック』や「地方都市マニア」の『重慶マニア』と作りは似ており、これらに興味を持った人にもお勧めです。

現在最終の詰めの作業をしており、問題なければ5月16日頃には書店に並ぶ予定です。

世界でも特にマニアックでミステリアスな国の本邦初の概説書、ぜひ手に取ってみて下さい。

本書の魅力や特徴が多すぎて選べないので、以下に目次を載せます。

2 はじめに
3 凡例
4 目次
6 地図
8 基本情報・旅行情報
11 第1章 首都
12 アシガバット 未来都市と錯覚するほどの白亜の首都
18 歴史
20 エリア紹介 街を白く彩るユニークな建物を巡る
30 博物館・美術館・劇場
32 モスク
33 二つの道・アシガバット動物園
34 遊園地・競馬場・サーカス
36 スーパーマーケット・バザール
38 レストラン
44 第2章 全土5州
44 アハル州 テケ族本拠地、地理・政治的にも中心位置
54 マリ州 古代都市メルヴ所在、最南部のオアシス地帯
62 ダショグズ州 最北部、交易中継地点、農業地帯
68 バルカン州 カスピ海に面するヨムット族の本拠地
74 レバップ州 第二の都市テュルクメナバットを擁する
76 第3章 民族
76 起源と成立 始祖は伝説的人物オグズ・ハンのテュルク系民族
78 主要部族 方言や生活様式、現在も残る部族意識
82 世界のトルクメン 国外に散らばる「同胞」
86 トルクメン語 世界で800万以上の話者が存在
88 国内の諸民族 「人種のるつぼ」そして「敵性民族」の集団移住
92 第4章 伝統・芸術
92 トルクメン絨毯  マルコポーロも称賛した民族のアイデンティティ
97 八芒星 オグズ・ハン、セルジュークのシンボル
98 民族衣装  遊牧生活に適し災いから身を護る
102 トルクメン民族衣装を作る
104 トルクメン・ジュエリー  財産として持ち運び、邪視から守る
110 ガラオイ 遊牧民時代に暮らしていた円形天幕の移動式住居
114 文学 吟遊詩人によって語られた口承文学から叙事詩へ
118 マグトゥムグリ・ピラギの詩
119 バグシと伝統音楽 民族の叙事詩をドゥタールで伝え続ける
122 アハルテケ 『史記』にも登場する世界最古の「黄金の馬」
126 アラバイ犬 人工交配されていない世界最古の天然犬種
127 ラクダ 魔除けの力を持ち、発酵乳飲料も愛される
128 フダイヨル 感謝のおすそ分け、振る舞い飯のお呼ばれ
129 「白羊のお祝い」 63歳の誕生日に長老として祝う
130 トルクメンの名前 構文や親族名称などが入る独特なネーミング
132 第5章 生活・文化・社会
132 料理 肉と粉ものをベースにロシアやトルコ料理と融合
139 トルクメン流「お・も・て・な・し」
140 恋愛・結婚事情 婚資・部族の出自・持ち家が重要
142 結婚式 婚礼衣装の着付け儀式、芝居めいたやり取り、ダンス
146 住宅事情 規制厳しいエリートハウスとソ連時代の集合住宅
148 スポーツ 相撲が人気、サイクリングに力を入れる
152 トルクメニスタンの一年 季節・記念日・祝日・式典
156 メディア テレビ局は全て国営、雑誌は官公庁が出版元
158 教育  コイネク・タヒヤの制服、おさげ髪、兵役と勤労奉仕
160 ポップス音楽 国や大統領を賛美し愛国心を掻き立てる
162 ドラマ・映画 ミュージカル仕立ての豪華ドラマ「新年映画」
163 ギネスブック 競合相手がいない分野を切り開いて独走状態
164 第6章 歴史
164 古代〜イスラーム化まで
166 オグズ登場〜ヒヴァ・ハン国成立まで
171 17世紀〜ロシア帝国まで
178 ロシア革命〜ソ連時代まで
185 独立から今日まで
191 第7章 政治・経済
191 天然ガス 埋蔵量世界4位、国家歳入の3分の2を占める
196 政治体制 首相を兼任する大統領、人民評議会、長老評議会
198 二人の大統領 テュルクメンバシュとアルカダーグ
200 ルフナーマ ニヤゾフ大統領の“聖典”
202 経済 天然ガス依存脱却を目指し、化学品、繊維業、農業振興
204 カスピ海 「第二のペルシャ湾」と評され、石油・天然ガス埋蔵
208 外交関係 積極的中立政策を維持し、バランス外交を展開
214 第8章 対日関係
216 日本人抑留者 旧クラスノヴォドスクで強制労働を強いられる
218 経済外交関係 ODA援助国3位、自家用車8割トヨタ
221 日本語教育 日本語学科有する大学、在留邦人とフリートーク
222 日本で育つトルクメニスタンのメロン
224 第9章 渡航情報
226 ヴィザや宿泊の手引き
228 おみやげ
251 購入場所 ショッピングセンター、デパート、バザール
232 ホテル
233 トルクメン語会話帳
236 参考文献
239 あとがき