突然ですが『ヴァイキングメタル・ガイドブック』を出版します! 著者は松原誉史さんで副題は『海の戦士達の先祖賛歌』です。

『世界過激音楽』シリーズもとうとうVol.15です。

そして実は「民族メタル」としては第1弾で、後にフォークメタル、ペイガンメタルの出版も予定しています。

反キリストの矛盾に
気が付いた海の戦士達は
北欧神話に回帰し
大海原へ繰り出した!!

ヴァイキングメタルの元祖はスウェーデンのBathoryと言われています。90年代初期にブラックメタルが勃興しましたが、彼らが信奉する反キリストやサタニズムといった概念自体が、キリスト教に由来しており、矛盾しているとBathoryのQuorthonは考えました。

そこでキリスト教が北欧に伝来する以前の土着の宗教やヴァイキングに価値を見出し、それらを称揚する歌詞やコンセプトを掲げて活動し始めます。

同じ様なポリシー、世界観でノルウェーからEnslavedやEinherjerといったバンドが登場し、「ヴァイキングメタル」というサブジャンルとして確固たる地位を占めるに至ります。

本書ではヴァイキングメタル、そしてパイレーツメタル237バンド、415枚の音源を紹介しています。

Bathory 反キリスト教の矛盾気づき、早逝したヴァイキングメタルの始祖!
Enslaved ヴァイキングメタルの代表的存在でありながら徐々にプログレ化!
Mithotyn 知る人ぞ知る、後のFalconerやKing of Asgardの母体となった伝説!
Einherjer ヴァイキング黎明期築いたミドルテンポ古ノルド語「孤独な戦士」!
Thyrfing Naglfarの創設者も在籍する北欧神話の魔剣ティルヴィング!
Týr フェロー諸島出身、捕鯨文化保護主張しシーシェパードから圧力!
Alestorm 冗談で「トゥルー・スコティッシュ・パイレーツメタル」標榜!

スカンジナビア半島からアイスランドやフェロー諸島、ドイツ、ヨーロッパ全土に波及し、一大ブームとなります。

勇ましいメロディ、一緒に合唱したくなるようなコーラス、オールを漕いでいる様な乗りやすいリズムと、エクストリームメタルのサブジャンルとしては、分かりやすく、取っ付き易いです。

ブラックメタルだけでなく、パワーメタルやメロディックデスメタルなどの要素が濃厚に見られ、より一般的なメタルファンの嗜好にも合います。

またヴァイキングや中世騎士のコスプレを施しており、見た目にインパクトがあり、場合によっては滑稽にも見えます。

ヴィジュアル重視なので、ミュージックビデオにも凝っており、まるで歴史映画の1シーンの様な映像が多く、見ていて飽きません。

そしてヴァイキングメタルシーンでも一目置かれている数々の有名バンドにインタビューしました。

Thyrfing・Moonsorrow・Týr Helheim・Himinbjorg・Vanir Black Messiah・ Forefather Valhalore・Thrudvangar Nomans Land・Grimner Claim the Throne・The Privateer Rumahoy等多数!

歌詞やコンセプトの背景にある北欧神話や歴史を丁寧に解説しただけでなく、

北欧神話 ヴァイキングメタルをより楽しむために
面白ミュージックビデオ
ヴァイキングの実態
極右政党のテーマソングに用いられたヴァイキングロック
ルーン文字
内陸ランキング

といったコラムも設けています。これでヴァイキングメタルの周辺的な知識も蓄えられます。

またヴァイキングメタルから派生したパイレーツメタルも収録しました。AlestormやSwashbuckle、Rumahoyといったバンドがおり、一見ふざけているけど実はレベルの高い音楽で人気があります。

早ければ5月13日頃には書店に並ぶ予定です。

A5判で256ページとややページ数が普段に比べても増えたにも関わらず、オールカラーを維持し、税込み表示価格で2640円と割と安い価格に抑えました。

見ているだけで楽しく、エンターテイメント性が高く、そして歴史の勉強にもなる『ヴァイキングメタル・ガイドブック』を是非買ってみてください。