『コロナマニア 「ウイルス以外のコロナ」一大コレクション』が完成したので、中身を紹介します。

10月1日に告知してから、既に1000RTを超える反響を頂いています。

コロナ関係の本は沢山出ていますが、この様な切り口はなかったという声で溢れています。

何の関連性もないのですが、実は著者の岩田宇伯さんは2年前に弊社から『中国抗日ドラマ読本』を出版されているのです。

変なものを集める、その着眼点は相当オリジナルですね。

帯を取り外したところ。

前書き。もしかしたら本書の趣旨は分かりにくいかもしれません。前書きの全文が版元ドットコムに載っています。

コロナマニア 前書き

そもそも「コロナ」という言葉は語源が何なのかなどについて、言語マニアの秋山知之氏が解説しています。

第1章は「国内店舗・企業」。

出版社のコロナ社やサロン・ドゥ・コロナなど色んなコロナがありますね。

著者の岩田さんは「俺コロナ」多発地帯、愛知県在住なのですが、近隣のコロナは自ら訪れました。

コロナを集める切っ掛けとなったのは、「喫茶コロナ」を見た時だそうです。他にも「メガネのコロナ」「コロナワールド」など沢山ありますね。

元々コロナだったものとしては長野の「コロナ食堂」や「大阪コロナホテル」が有名です。今回、本書ではこの2つへのインタビューに成功しました。

実は他にもかなり大量の「もともとコロナ」にインタビューを申し込んだのですが、ほとんどから返事をもらえず、貰えたところからも断られてしまいました。

あらためてインタビューに応じていただいたお二方にはお礼申し上げます。

東海地方ではリクリエーション施設として有名な「コロナワールド」。「コロナの湯」などもあり、つい目が行ってしまいます。

緊急事態宣言の前後に、そこがどういう雰囲気だったのか、実際に訪れて見てきています。

愛知にはフードショップコロナというスーパーがあり、岩田さんが自宅からかなり遠いのに、遠征して弁当を買ってきました。そのレポート。

第2章は「海外の企業・店舗」です。日本以上に多くあると見られ、特に被害が大きかったイタリアやスペイン、フランスでも「コロナ」を冠するホテルが沢山あります。

海外での「もともとコロナ」の風評被害について言語マニア、秋山知之氏が調査レポートを寄稿しています。

非常に面白いのが、「もともとコロナ」ではなく、「もともとCOVID」という名前の企業がいたことです。

差別に繋がるのでウィルスの名称に地名を使わない方針が取られ、「COVID19」と名付けられた訳ですが、「元々COVID」からしたらとんだ巻き添えを食った形になってしまいます。

第3章は「製品名・ブランド」です。日本人にとって特に有名なのは豊田の「コロナ」ではないでしょうか?

新しい車種が「新型コロナ」と銘打たれたものもあり、今回のウィルスと全く同じ表記なのがシュールです。

第4章は「地名」なのですが、アメリカや南米に大量にあります。「コロナストリート」「コロナアヴェニュー」「コロナロード」など膨大にあります。

あまりにもページ数が多くなってしまい、オールカラーは断念し、白黒で。

本書ではコロナにまつわる珍コラムが目白押しです。

左はニューヨークで一番コロナ陽性率が高かったのが、皮肉にもクイーンズの「コロナ」という地区だった事。

また右では本書編集者が、ハンガリーでなぜ「Korona」が多いのか、王冠領という歴史的経緯から解説。

日本人で漢字の当て字で「ころな」という名前の人たちがいるみたいです。その中には改名したという情報も。

一時期、愛知県で多発した「俺コロナ」。愛知県在住者である岩田宇伯さんが、なぜ愛知で「俺コロナ」が多発したのかの分析もしています。

日本全国の「俺コロナ事件簿」。「コロナに感染した」と吹聴して、逮捕された人たちの年表データベースです。

世の中にある年表の中でも最もバカバカしい類のもの。

こんな事で人生を棒に振ってしまって、情けないですね。

第5章は「歌手・バンド」。Sonus CoronaやBlack Coronaなど、かなり多くのメタルバンドが既に存在していた様です。

ゲイの発展場として有名な「コロナクラブ」。

第6章は「アルバム・曲」です。バンド名だけでも「元々コロナ」は多かったですが、アルバム名、曲名で「コロナ」を使っていたメタルバンドは更に増えます。

音楽ジャンルの中でも最も多いと見られます。

第7章は「映画・テレビ」です。スペイン語圏で特に多かったみたです。

第8章は本書の趣旨から少し離れますが、武漢を応援する為に大量に作られた、「中国コロナキャンペーンソング」です。

実は7月に出版された『デスメタルチャイナ』でも岩田さんが「中国ロックと新型コロナ」について寄稿しています。

最終章の第9章は「コロナ便乗ソング・バンド」です。本を制作している間にも次から次へと新しいのが登場してしまい、収拾付かない状態に。

あまりにも増え過ぎたので、全部載せるのは諦めて、厳選し、白黒にせざるを得なくなりました。

この後もどんどん増えるでしょうし、いずれコロナ便乗商法について、別の本が作れそうな勢いです。

武漢を拠点にした「Coronavirus」という架空のデスメタルバンドのツアーTシャツについてのコラム。

以上、ダイジェストで『コロナマニア』を紹介しました。

歴史上ここまで短期間に意味が変わった言葉はなかったのではないでしょうか?

「元々コロナ」だった企業や関係者への風評被害が一日でも収まり、改名することもなく、そのまま「コロナ」を冠した名称で堂々と営業活動できる日が再開する事を願っています。

(この本の賞味期限も切れそうですが)

是非よろしくお願いします。

10月24日には名古屋のBibliomaniaでイベントもやる様です。

【10/24】凱旋コロナマニアナイト