突然ですが『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』を出版します。著者は田村直昭さんです。
2010年にディスクユニオンから刊行された伝説の名著『Shadows of Evil Black Metal Disc Guide』の執筆者の一人で、今もディスクユニオン勤務です。
今回はその中でも最も原始的・原理主義的な過激派を徹底調査しました。
デスメタル襲撃・教会放火・殺人を厭わない武闘派
プリミティヴ・ブラックメタルはサタニック・スラッシュメタルを源流に持ち、90年代初頭のノルウェーで勃発した、原理主義的ジャンルです。
2nd Wave of Black Metalとして、その後のエキストリーム・メタルの中でも特に大きな潮流を築き上げています。
教会放火や殺人事件など凶悪犯罪でも知られ、メタルサブジャンルの中でも特に悪名高い一派です。
またアンチクライスト姿勢を露骨に誇示し、サタニズム信奉したり、デスメタルを敵視したりと、周囲から危険視されています。
音楽的には過度な装飾を嫌い、敢えてRAW、Lo-Fiな音質を狙い、確信的に復古主義的、原点回帰主義的です。
Darkthrone プリミティヴ・ブラックメタルの創始者かつ帝王にして町会議員Ildjarn Lo-Fiミニマル過ぎるアンビエントがノイズ化する自然崇拝者Gorgoroth アンチクライスト標榜、数々の事件を引き起こした狂人Tsjuder チェーンソー・ブラックメタルの異名を取り、反キリスト教を貫くClandestine Blaze Deathspell Omegaやノイズ・パワーエレクトロニクスにも関与Satanic Warmaster プリミティヴな中に仄かに香るメロウなメランコリックさAbsurd 同級生を殺害し、墓碑をジャケットにした国民社会主義ブラックメタル開祖Judas Iscariot デスメタル大陸アメリカで、本格北欧系プリミティブを孤軍奮闘
※一般的にアルファベットで「エヌエスビーエム」と記載されるジャンルは、事情によって漢字で記載しています。
また「国家社会主義」という言葉は、近年の学術用語では「国民社会主義」に置き換えられています。
プリミティヴ・ブラックメタルの代表的なバンドは網羅的に収録した上で、更に近隣のDSBMやファスト・ブルータルブラックなどのジャンルでもプリミティヴ要素が感じられるバンドをなるべく多めに紹介しました。
全部で583バンド、806音源を掲載しています。
そしてプリミティヴ・ブラックメタルの創始者であるDarkthroneのFenrizのインタビューに成功しました。Sighの川嶋未来氏に取り次いで頂きました。
Darkthrone Mayhem, Tsjuder Maniac Butcher Celestia, Taarma 等のインタビュー
音楽だけでなく、事件や主義象徴など周辺的な話題も豊富なジャンルの為、複数のコラムを用意しました。
・国民社会主義
・インナーサークル
・サタニズム
・LLNとフレンチブラック
・ブラックメタル殺人事件簿
など多数のコラム
近年、自社他社含め、ブラックメタルをテーマにした本が複数出版されてきています。その中でもこの『プリミティヴ・ブラックメタル・ガイドブック』は保守反動・復興運動の最も中核にいるジャンルに特化したものです。
A5判並製296ページ、全部でおおよそ50万字越えの前代未聞のアーカイヴ本です。ブラックメタルファン必携の書となる事、間違いありません。
11月10日頃までには書店で買える予定です。
