出版以降、話題沸騰中の『ブレイクコア・ガイドブック』。今度は下巻を紹介します。
下巻の副題は「ラガコア・ブレイクビーツ・マッシュコア・カットアップ・ジャズ・IDM・エクスペリメンタル・ レイブコア・アシッド」で
ブレイクコアの黄金時代とされる2000年以降のサブジャンルに分岐して以降を扱っています。
上巻でも名だたるアーティストがインタビューに答えている事をお伝えしましたが、下巻でまずインタビュー登場するのはFFF。
マンチェスターのGore Tech。彼もインタビューに応じてくれており、なおかつこの出版を心から喜んで、各種SNSでも宣伝してくれました。
なお著者の梅ヶ谷さんが運営されるMurder Channelからのリリースもあり、ブラックメタルのファンから人気のAnaal Nathrakhの作品にも参加しています。
実はメタル好きだという事がよく分かるファッション。またたくさんの画像を提供しており、スタジオの機材もよく分かります。
『ブレイクコア・ガイドブック』の出版直前にMurder Channelから『10 Years Of Breaking Things』をリリースしたばかりのStazma The Junglechrist。
ベネズエラ出身でネアカなマッシュアップが人気のCardopusher。
オランダ出身でドキュメンタリー映像なども制作し、多才なDeformer。来日時にMurder Channelのトークイベント「Murder Channel Talk Show」にも出演。
ブレイクコア界の芸人Jason Forrest。長文インタビューと沢山の写真を提供。
ブレイクコアアーティストによる別名の活動を紹介したコラム。
Murder Channelからも作品を出しているMiiiさんによるコラム。
ジャズ、クラシック、ヒップホップ、メタルに美しいメロディを被せる事で知られるRuby My Dearのインタビュー。
極めつけはXanopticonと並ぶフラッシュコアの雄UndaCova。予測不可能な超複雑グリッチ・ビートであまりの迫力。
相当難解な作風で知られていますが、未だかつて見たこともない様な、詳細なロングインタビューを提供してくれました。
そしてなんと言っても下巻の最大の見所はフラッシュコアの神Xanopticonがインタビューで登場している事でしょう。
なんかもうこれだけでも本書を買う価値があると言っても過言ではありません。なかなかインタビューの返事が来なくて、諦めていた頃、本書の出版のスケジュールも迫っていた時に来ました。
実はMurder Channelが来日ライブに招聘していた過去があり、やはり無碍にはできなかったか!?
個人的にもこの2冊シリーズで最もリスペクトするアーティストなだけに、掲載できて感無量です。
(2000年頃によく聴いていたアーティストとこの様な形で関わる日が来るとは思いませんでした)
ブレイクコアアーティストによるオフィシャルリミックスのコラム。Morbid AngelをリミックスしたIgorrr等が知られていますね。
という訳で、ざっと駆け足で下巻の見どころを紹介しましたが、上巻に比べてもむしろ下巻の方が気になるという人も多いのではないでしょうか?
やはりブレイクコアの全体像を1冊でまとめるのが不可能だったという事がよく分かるかと思います。
どうせなら上巻、下巻ともに買ってみて下さい。