突然ですが『ドゥームメタル・ガイドブック』を出版します。
著者はドゥームメタルバンドHebi Katanaのメンバーでディスクユニオンのドゥーム/ストーナー系レーベル、Unforgiven Blood Recordsを運営されている松尾信仁さんです。
副題は「激重・激遅・激渋」で、『世界過激音楽』シリーズのVol.26になります。
地を這うようなダウンチューニング
その地を響かせるファズ
ベルボトム、オカルトな世界観…
激重・激遅・激渋
ドゥームメタルはメタルサブジャンルの中でも最低速と言われており、(視点や解釈にもよりますが)最重量級です。
リフの反復による酩酊感やグルーブ感が特徴で、非常に人気のあるサブジャンルであり、メタル全体でも有名なバンドがひしめき合っています。
何と言ってもドゥームメタルの元祖が、ヘヴィメタルの生みの親と言われるBlack Sabbath。
■Black Sabbath ドゥームの絶対的始祖、全てはここから始まった
■Cathedral 最速から最遅へ、ドゥームメタル誕生の礎を築いたバンド
■Electric Wizard ホラー&エクスプロイテーション映画モチーフの英国代表カリスマ
■Lucifer 妖艶な女性シンガー率いるヴィンテージ・ハードロックサウンド
■Candlemass 北欧ドゥームメタルのパイオニアであり先駆者
■Uncle Acid and the Deadbeats 甘い中性的ヴォーカルと魅惑のメロディを操るアシッド集団
■Saint Vitus ハードコアとも深い関係のアメリカで最古のドゥームバンドの一つ
■Pentagram 1970年代から活動を続けるアメリカ大陸のドゥーム・パイオニア
■Church of Misery 日本のみならずシーンを代表するシリアルキラー・ドゥーム
■Mephistofeles 各国にフォロワーを生み出し続ける現代の南米ドゥーム・スター
チラシのスペースの都合上、以上の10バンドに絞らざるを得ませんでしたが、他にも大御所枠で取り上げているバンドとしては、Witchcraft、Count Raven、Reverend Bizarre、Acid Mammoth、Iron Man、Pallbearer、Solitude Aeturnus、Trouble、Khemmis、Acid Kingなどがおり、壮観です。
ドゥームメタルは、「ドゥーム/ストーナー」と表記される事が多く、ストーナーメタルとは切っても切り離せないジャンルです。本当はストーナーメタルも一緒に紹介できれば良かったのですが、ページ数が400ページを超えかねません。そうすると一冊の定価が6000円を超えてしまう可能性が高くなってしまいます。
ジャケットをオールカラーで載せたかったので、まずは今回はドゥームメタルに厳選し、224ページに抑え、どうにか定価を3000円にしました。それでも少し高く感じてしまうかもしれませんが、昨今の円安・インフレで原価率が急上昇しており、利益率を下げることで、なるべく価格転嫁をしないでおります。
その結果、損益分岐点が極めて危険な数値なので、ぜひ買い支えて頂ければと思います。
そしてストーナーメタルの方は続編の『ストーナーメタル・ガイドブック』でやる予定です。以下が今回の『ドゥームメタル・ガイドブック』ではなく、『ストーナーメタル・ガイドブック』で紹介する予定のバンドたちです。なので「〇〇が載ってない!」と早とちりしないで頂ければ幸いです。
Sleep, High on Fire, Kyuss, Fu Manchu, Clutch, Monster Magnet, Melvins, Boris, Corrosion of Conformity, Orange Goblin, Eternal Elysium, Spiritual Beggars, Weedeater, Bongzilla etc…。
なるべく早く松尾さんに書き上げてもらうので、ご期待ください。
話が戻りますが、『ドゥームメタル・ガイドブック』では今までの『世界過激音楽』でもあり得ないぐらいの超大御所ミュージシャンにインタビューしています。
インタビュー
The Obsessed
Pagan Altar
Count Raven
Acid Mammoth
Uncle Acid and the Deadbeats
Cathedral
Church of Misery
Saint Vitus
正直なところ今までの『世界過激音楽』では大御所があまり掴まらず、B級や若手で埋めざるを得なかったこともありますが、今回の『ドゥームメタル・ガイドブック』は全てがエース級です。
なによりドゥームメタルの代表格Cathedral/Rise AboveのLee Dorrianにインタビューできたのが凄いところ。
LuciferのJoannaにはインタビューだけでなく、本のカバーに写真を載せる快諾まで貰いました。
さてそれだけでも盛り沢山でフル装備の『ドゥームメタル・ガイドブック』ですが、更に力が入っているのがコラムです。
「指を切断したTony Iommiがドゥームに与えた影響」
「The Beatlesが間接的にドゥームに及ぼした影響」
「世界的に見ても先進的だったジャパニーズ・プロト・ドゥーム」
「アルゼンチンにおけるイタリア移民とドゥームメタルの共通点」
「コロナで死亡したTrouble結成メンバーEric Wagnerの功績」
「ドゥームで使用される定番の楽器や機材」
といったコラムを用意しています。ドゥームメタルを知る上での鋭利な裏話、こぼれ話が満載です。
やはり松尾さんがドゥームメタルの現役ミュージシャンであり、なおかつドゥームメタルのレーベルも運営されているということで、『ドゥームメタル・ガイドブック』の執筆者としてはこれ以上ない最適任者です。
今現在制作の佳境を迎えているところですが、無事問題なく進めば3月上旬頃発売予定です。
『世界過激音楽』としても新領域を開拓しており、ドゥームメタルマニアだけでなく、広範囲のメタルファンの方々に手に取ってもらえれば幸いです。