突然ですが『オールドスクール・デスメタル・ガイドブック 下巻 ニューウェイヴ編』を出版します!

2019年に出版した『オールドスクール・デスメタル・ガイドブック』の上巻、中巻から5年ぶりの続編で、これで完結します。

著者はもちろん村田恭基さん。『世界過激音楽』シリーズとしてはVol.23です。

リバイバルを超えて多数の新概念を創造

最先端の現行デスメタル!!

「ニューウェイヴ・オブ・オールドスクール・デスメタル」という一見矛盾したムーブメントが2010年代に勃興しました。

HM-2エフェクターの再興、カセットテープの再評価といった懐古趣味的リバイバルに留まらず、コズミック、キャヴァナス、ロッテン、「踊れるデスメタル」等の新概念を創造していきました。

そしてハードコアとの協調体制によって「現行デスメタル」が爆誕するに至っています。

一部のマニアからはもはや「オールドスクール・デスメタルこそが最先端のデスメタル」と評されるほどの逆転現象まで発生しています。

Blood Incantation コズミック・デス・ムーヴメント
Black Breath ハードコア×デスメタル先駆け
Horrendous 名人級エンジニア
Cruciamentum キャヴァナス派の名工率いる
Worm プリミティヴ・ブラックからデス・ドゥーム
Tribulation 吸血鬼ゴシックの狂的な初期
Tomb Mold 日本産RPG『Bloodborne』由来
Dead Congregation 最重要暗黒名盤の作り手
Undergang ロッテン・デスで台頭
Necros Christos 中東文化と融合したオカルト大作家

大御所バンドはこれらのバンドですが、一大ブームが到来し、超巨大ジャンル化した為、シリーズとしてもトップクラスで多い701バンド、782音源を紹介しています。

またインタビューはGrave Miasma、Morbus Chron~Sweven、Horrendous、Obliteration、Tribulation、Dismaなどの人気バンド達に敢行しました。

コラムは「レコーディング・エンジニア特集」や「レーベル特集」「イラストレーター特集」はもちろんのこと、「スウェディッシュ・デスの代名詞というべきHM-2 エフェクター」「10’s OSDM の可能性と混乱を反映した概念キャヴァナス」「デスメタルに多大な影響を与え続けるラヴクラフト」「Mid 10’s OSDM をより混沌とさせたカセット・デモの再評価」などといった切り口でOSDMを知る上で多角的な検証をしています。

日本デスメタル界の守護神である、はるまげ堂、Butcher ABCの関根さんには「考察 ロッテン・デスメタル」というテーマで語ってもらいました。

そして巻末にはRECORD BOYの大倉了さん×MORTAL INCARNATIONの三浦慎平さん、そして著者の村田恭基さんによる鼎談「オールドスクール・デスメタル・シーンの動向」も収録しています。

あまりにもマニアックな話が盛り沢山で、付いていくのに必死です。

さて5年前に上巻・中巻を出した頃に比べて、円安・インフレによって印刷製本代が爆上がりしてしまいました。

しかも272ページという、オールカラーにするにはあまりにも多いページ数にまで膨れ上がってしまいました。

でも音源のジャケットをカラーで見せない訳にはいきません。

もはや原価率が規定ラインを大幅オーバーしてしまい、いくら売れても利益が残らない、3200円という出血大サービス価格に!

まるでデスメタルNPO。そして全くサステイナブルではありません。

初版が売り切れたら重版はほぼ不可能と見られます。

9月10日頃までには書店でも販売が開始されます。

今なお「半チャーハン大盛り」の様に矛盾を孕みながら進化し続けるニューウェイヴ・オブ・オールドスクール・デスメタル。

いずれ『オールドスクール・オブ・ニューウェイヴ・オブ・オールドスクール・デスメタル 上巻』を出す日が訪れるのかもしれません。