突然ですが『中国テレビ番組ガイド』を出版します! シリーズ『世界ヘンテコ映像』のVol.1で、副題は「現代中国社会事情・中国政府プロパガンダ・中国人の考え方が分かる!」です。

著者は『中国抗日ドラマ読本』で中国共産党を怒らせてしまった岩田宇伯さんです。なお昨年、中国とは全く関係ない『コロナマニア 「ウイルス以外のコロナ」一大コレクション』を出版されています。

中国で大問題になった『中国抗日ドラマ読本』の著者が
イキってるのにスベってる
ギャグの様な番組を大量発掘!!!!

2018年に出版された『中国抗日ドラマ読本』は、中国の抗日ドラマがいかに荒唐無稽なシーンだらけで、時代考証もずさんで、逆にバカバカしすぎて日本人には新鮮なギャグに見えるかを解説しました。

ところが日本よりも中国で話題になり始め、中国の高等裁判所のサイトなどでは、国辱としてやり玉に上がり、書名が名指しで掲載されたりしました。「英雄烈士保護法」の成立にも影響を与えたらしいです。

そして中国の宣伝工作が本気になればなるほど、逆に日本人には笑えるという現象、テレビ番組でも発生していたようです。

見え透いたプロパガンダ、押し付けがましい感動ポルノ、逆に反発心を抱かせる自画自賛、隣国人からしたらうざった過ぎる国威発揚……。

抗日ドラマだけでなく、ありとあらゆる中国のテレビ番組をウォッチしてきた岩田宇伯さんが、今度はそんな中国の笑えるテレビ番組を徹底発掘して、まとめたのが『中国テレビ番組ガイド』です。

共産主義クイズ番組『新時代学習大会』★習近平主席を盛り上げる中国特色社会主義超カルトクイズ !
共産党員向け番組『共産党員』★ニュース・学習コーナー・優秀党員取材等ズバリ党員向け番組!
汚職摘発番組『巡視利剣』★捜査逮捕吊し上げ ! 習近平政権反腐敗運動の集大成ドキュメンタリー !
コロナ宣伝工作『同心戦疫』★まるで戦記物の様に煽る中国コロナ禍勝利宣伝ドキュメンタリー!
社会主義核心価値観アニメ『夢娃』★公共CM でおなじみの泥人形の女児キャラがシリーズアニメ化!
広東語スケベ道徳番組『夜傾情』★さり気なく毎回下着レベルのエッチなシーン挿入しまくる道徳番組!
犯罪者インタビュー番組『獄中面対面』★被害者遺族・加害者家族にも取材する凶悪犯獄中インタビュー!
ヒップホップ『中国新説唱』★優勝者存在抹消、主要審査員突然失脚など、当局から弾圧されまくり!
アイドル養成超人気番組『創造営』★日本人練習生多数出演し、K-Pop ファン・韓流ファンにも波及!

特に露骨なプロパガンダではなくとも、日本人から見て興味深いテレビ番組も紹介しています。

帯やチラシに載せたのはこれらの選りすぐりの番組だけで、他にも面白い番組が沢山紹介されています。単純に中国で人気があり、日本人が見ても面白いテレビ番組も沢山紹介しています。

中国全体で数千レベルのテレビ番組があると見られ、流石に全てを網羅する事はできなかったものの、特に面白い番組を130に絞って紹介しています。

中国版『たけし城』『なんでも鑑定団』『ビフォーアフター』『マネーの虎』としか言いようがないのも!

また中国といえば「パクリ」や「偽物」も有名です。一時よりは下火になったものの、テレビ番組でも明らかに海外や日本の人気テレビ番組を模倣したものや、似すぎていてライセンス供与を受けたのだか真相が不明な番組もありました。

中国のテレビ番組なんて馴染みのない方々にもきちんと見られるように、冒頭では「中国テレビ視聴法」の解説を載せました。

また中国のテレビネットワークの成り立ちや主要放送局のリストも掲載しています。

報道の自由が弾圧されまくってしまった香港、そしてそうでもないマカオ、また中国と報道合戦を繰り広げている台湾のテレビ事情もコラムで紹介しています。

偽善臭くて逆に白けてくる「共産広告CM」といった中国ならではのテレビ事情も紹介しています。

各番組名は常用漢字だけでなく、検索しやすいよう簡体字でも併記しました。また「番組名簡体字」「番組名ピンイン」「 番組名発音」「放送局」「司会」「出演者」「放送時間」「放送時期」「 ゲスト」「 審査員」「出演バンド」といった要素も細かくスペック表で記載しました。

出演者や芸能人などをより詳しく知りたい人にも親切に設計し、中国人と中国のテレビ番組について話し合いやすくしています。

考えようによっては、「日本人が中国のテレビ番組のこういうところをバカバカしいと思った」という事がよく分かるので、それこそ中国共産党の宣伝工作に勤しんでいる人達にとって、より手の込んだプロパガンダを作ってもらう為の参考資料にもなるかもしれません。

いよいよオリンピックのが開幕が2月4日。それに合わせて各書店には2月2日頃に発送を予定しており、早ければオリンピック開幕前日の2月3日、遅く見ても2月10日頃には店頭に並ぶはずです。

A5判並製224ページと割とヴォリュームがありますが、元々、中国のテレビ番組に関心がある読者層という存在が不明な為、かなり手に取りやすくした方がいいと考え、弊社としては出血サービスの2000円という低価格を実現しました。

最近では習近平政権が、メディアへの締め付けを厳しくしてきたり、不良芸能人を追放したりと、何かと話題になる中国のメディア規制・報道体制。

今後中国がどういった白々しいプロパガンダを国民に押し付け、あるいは誘導し、そして世界に対してはソフトパワーを浸透させるのか、『中国テレビ番組ガイド』を参考にしながら、冷ややかな眼差しで見守っておくと良いのではないかと思います。

なお昨年12月に出たばかりの関上武司さんによる『中国抗日博物館大図鑑』でも岩田さんが幾つか抗日にまつわるコラムを寄稿しているので、まだ読んでない方はこちらもよろしくお願いします。中国の歴史認識が分かります。