ダニエル・エーケロート著、藤本淳史訳の『スウェディッシュ・デスメタル』が完成したので、中身を紹介します。外観はこの様な感じです。

帯を取り外した状態。このイラストはあのニッケ・アンダーションが描いたものです。

見返しと本扉。原書を割と忠実に再現しています。

謝辞など。

目次

著者のダニエルによる日本語版への特別メッセージ。

本当は4月11日にDues新宿で出版記念イベントもやる予定だったのですが、中止に。

さてここからが第一章です。

デスメタル黎明期からの解説。Napalm DeathやCarcass、Earacheのチラシ。

Anti CimexやAsocialなどの解説。スウェーデンのデスメタルはハードコアからの影響が濃厚です。本書もハードコア方面からの注目が多いようです。

この様な感じで2章に続きます。Bathoryの説明など。

Entombedの前身バンドNihilist。

後年、よりグルーヴ感を増したGrave。

スウェディッシュ・デスメタルの代表格となるEntombedやUnleashed、Crematoryなど。

Grotesque、Afflicted、Expulsion等。そして一番下の写真はあのアメリカのImmolationやMortician。今となっては大御所ですが、まだあどけなさが残るほど若々しいです。

スウェディッシュ・デスメタルの中でもEntombedの『Left Hand Path』など名作と呼ばれる作品の解説。

あまりにも猟奇的な歌詞で裁判沙汰になったDismemberの話。

Edge of SanityやSeance等。

DismemberやHypocrisy。

一斉を風靡したスウェディッシュ・デスメタルですが、その後、ブラックメタルに凌駕されていってしまいます。

メロディック・デスメタルの最高峰と称されるDissection。その後、In FlamesやAt the Gates等ヨーテボリサウンドの全盛期へ。

そしてデスエンロール化していったスウェディッシュ・デスメタルは下火に……。

隣国のノルウェーで登場したブラックメタルが全世界的に人気を勝ち得た中、スウェーデンのMardukも奮闘。

他にもDark FuneralやSetherial等、ファスト・メロディック・ブラックメタルの中心地にはなっていく。

他に同国でのレトロスラッシュやOSDMのリバイバル、グラインドコアところで、本書はお終い。

巻末にはスウェディッシュ・デスメタルのバンド一覧が。

バンドメンバーやディスコグラフィー一覧。

この様な詳細な情報がビッシリと。ストリーミングで聴きながら、このディスグラフィーで確認していくのもあり。

SNS、ストリーミング時代の現在はほぼ消滅しましたが、ファンジン一覧。あまりの多さにビックリ。

今となっては歴史的アーカイヴ。今まだファンジン現物を持っている人は捨てないでください。

登場人物が余りにも多く、混乱するので巻末には重要人物解説。

Butcher ABC、はるまげ堂の関根成年氏による推薦文。実は本書の日本語版を掛け合ってくれたのも同氏。

もはや日本におけるスウェディッシュ・デスメタルの代理人と言っても過言ではない人物。

右は翻訳者、藤本淳史拓殖大学教授による翻訳者のあとがき。

カバーの袖にある著者の写真と略歴。

ところで翻訳者の藤本さんは伝説的ファンジン『No Deception Zine』の発行人でした。

90年代初期は街のレコードショップにもデスメタルはほとんど売っていなかったので、テープトレードやこの様なファンジンで音源や情報を入手するしかなかったのです。

しかも当然、英語でやり取りするしかありませんでした。この時から全世界を相手に英語で情報発信していた藤本さんだけあって、その後、英語学の教授にまでなってしまうのでした。

今となってはこの『No Decetion Zine』もプレミア価格が付いています。

まさにこの本を訳すには相応しい、凄い経歴の翻訳者ですね。

さて最後に弊社パブリブから刊行されている関連書の紹介。左上は『ウォー・ベスチャル・ブラックメタル・ガイドブック』。

下の2冊は昨年出版された『オールドスクール・デスメタル・ガイドブック 上・中巻』です。

特に中巻はスウェーデンを含むヨーロッパを扱っています。

こちらはディスクガイド的な構成となっており、音源紹介など部分的には『スウェディッシュ・デスメタル』より詳しく解説しているので、合わせて読むことをオススメします。