突然ですが『東欧ブラックメタルガイドブック2』を出版します!

著者は岡田早由さんで副題は『ウクライナ・ベラルーシ・バルト・バルカンの暗黒音楽』です。

第2弾は旧ソ連構成国「新東欧」とバルカン諸国
ブラックメタルは更に過激化!
ポーランド拠点に現地人脈豊富なMetal Mania Sayukiが徹底調査

昨年、『東欧ブラックメタルガイドブック』を出版しましたが、扱っている国はポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの四カ国でした。

この時点では、続編を出版する事は想定しておらず、巻数を意識する事もなく、書名に「1」とは付けていませんでした。

しかしこちらを出版した後から、より東の国々、特にウクライナのブラックメタルが非常にレベルが高く、ハンガリーは当然、チェコやスロヴァキアを遥かに上回っており、下手するとポーランドと同等かそれ以上のシーンを形成している事を再確認し、著者の岡田早由さんと一緒に取り組むことになりました。

なので1巻目と識別する為、便宜上「2」となっていますが、全く別の地域を扱っているのであまり続編という訳ではありません。

むしろ別の本と言え、こちらの方から読むのでもいいですし、こちらだけを読むというのでも構いません。

また1巻目の方は対象国が4ヵ国だったところ、2の方は一挙に15ヵ国、ウクライナ、ベラルーシ、リトアニア、ラトビア、エストニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロ、マケドニア、アルバニア、ブルガリア、ルーマニア、モルドバに増えました。

ページ数も248ページから328ページと大幅に増加しています。30%近くボリュームが増えているにも関わらず、値段は10%未満の上昇率に抑えた2400円です。

■ウクライナだけでなく東欧、旧ソ連全域代表するペイガンブラック Nokturnal Mortum
■土着宗教的ポストブラック、「土」も限定販売してフロントマン急死 Negură Bunget
■陰毛ロゴで話題かっさらった睡眠導入剤的アンビエントブラック Basarabian Hills
■女性ダンサーやボンデージも登場するサタニック・ポップ・メタルに転身 Semargl
■リトアニア人ナルシストが旧東ドイツ人引き連れてポストブラック N R C S S S T
■「ウクライナに栄光あれ!」と絶叫しておきながら後年EDMに傾斜 Dub Buk
■1920年代独立期普段着やエストニア人SS義勇兵軍服コスプレイヤー Loits
■検索しにくい名前に改名余儀なくされても旧ユーゴ領域で最も有名The Stone
■架空の星から来たプレデター風コスチュームなのにエスニックメタル Plemя
■バンデーラ追悼したのに世界的人気を勝ち得たアトモスフェリック Drudkh
■三味線や琴導入、剣道着着用ロシア系ラトビア人神道メタル Yomi
■反共コンセプトなのに「ハンマー」意味するペイガンRAC Молат

実に個性的で、一癖二癖あるバンドが多いのが分かるかと思います。上記のバンドは比較的有名なバンドが多いですが、世界的にはまだ無名のバンドが数多く潜んでいます。そしてペイガンフォーク系では、キリル文字表記のみのバンドも多く、現地以外ではほとんど知られておらず、日本で初めて紹介されるバンドも沢山掲載されています。

●キエフで開催される世界最大NSBMフェスAsgardsrei
●ポンタ首相を辞任にまで追い込んだルーマニアナイトクラブ 火災事故●沿ドニエストル訪問記…など充実したコラムも

ブラックメタルは民族主義や土着の文化・歴史について歌っている事が多いですが、そういった事に馴染みのない日本の読者の為にも、できるだけ解説を充実させました。

また数々のおもしろコラムも複数用意しています。

おてんばキャラでもはや人気者の早由さんのTwitterは @MetalSayuki で『Dekalog11』というブログとディストロを運営されており、現在一時帰国中です。

本日、色校チェック中で、無事問題なく進めば、年明け早々の1月10日頃には書店に並ぶ予定です。前回の『東欧ブラックメタルガイドブック』と合わせて、また東欧圏に比較的多いDSBMを扱った『デプレッシヴ・スイサイダル・ブラックメタル・ガイドブック』もまだの方は一緒に買ってみて下さい。

ブラックメタルの音楽的側面より、東欧自体に興味がある方々は9月に出版した『共産テクノ 東欧編』や今月発売したての『ソ連歌謡』、また昨年の『東欧ブラックメタルガイドブック』と同時に発売された『ヒップホップ東欧』も手に取ってみて下さい。