突然ですが『ウクライナ映画完全ガイド』を出版します。著者は梶山祐治さんで副題は『ロシア帝国時代からマイダン革命以降の現代まで』、シリーズ『世界シネマ読本』の第一弾です。

時にプロパガンダの役割を担い、時に検閲の対象となりながらも
ロシア帝国・ソ連時代から世界映画史に輝く作品を作り出してきた

2022年からのロシアによるウクライナ侵略以降、ウクライナ映画に対して世界的に注目が集まりました。

しかしながら、その全体像の理解はなかなか進みませんでした。

ウクライナ国内ではそれまでの映画に対する見直し・再評価が進んでいます。

本書はウクライナ映画を代表する100作品のあらすじや、制作背景を徹底解説しています。

・オレクサンドル・ドヴジェンコ『大地』 世界の映画史に燦然と輝く、サイレント映画の名作
・ジガ・ヴェルトフ『カメラを持った男』世界のドキュメンタリー映画史上、最重要作品のひとつ
・セルゲイ・パラジャーノフ『忘れられた祖先の影』山岳民族を色彩豊かに描く、ウクライナ映画オールタイムベスト1
・ユーリー・イリエンコ『渇いた者たちの井戸』ウクライナ映画ベスト作品にも挙げられる、詩的映画の代表作
・レオニード・オシカ『石の十字架』カナダへの集団移住問題を背景にした、貧しい農夫の厳粛なドラマ
・キラ・ムラートワ『無気力症シンドローム』ソ連末期の変調を「無気力症」というシンドロームを通して描く
・ミロスラウ・スラボシピツキー『ザ・トライブ』世界中で称賛された、手話のみで描くろう者たちの青春と暴力
・セルゲイ・ロズニツァ『ドンバス』ドキュメンタリーの名手が劇映画で描く、ドンバスの「真実」

またウクライナ映画をより深く理解するために、色んなコラムを設けています。

・用語・人物解説
・ウクライナ映画史
・ウクライナ映画視聴法
・外国映画の中のウクライナ
・ウクライナのアニメーション

など

知られざるウクライナ映画の魅力の本質に迫る内容となっています。

なお著者の梶山祐治さんは、中央アジア今昔映画祭やオンラインによるロシア・中央アジア映画上映会、その他の上映企画・映画祭等で日本未公開作品を紹介されています。

数多くの字幕翻訳や監修も手掛けられており、旧ソ連圏映画研究の専門家として知られています。

A5判並製で240ページ、2800円+税です。オールカラーという訳にはいきませんでしたが、208ページがカラーです。非常にコストが掛かっています。

8月上旬の発売を予定しています。