突然ですが『ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編』を出版します。
7月に出版した第一弾の『オールドスクール編』の続編です。
著者は以前『ブレイクコア・ガイドブック』を出したMurder Channelの梅ヶ谷雄太さんで、『電子音楽解説』の第4巻となります。
ディストーション・無機質な機械音、技術力とセンスが必要とされ、進化し続ける。前巻は序章に過ぎなかった…。
ハードコア・テクノのサブジャンルとしてニッチながらも世界中に多くのファンが存在する「インダストリアル・ハードコア」。本書はインダストリアル・ハードコアについて、90年代初頭のハードコア・テクノから遡り、そのルーツに迫ります。
■Ophidian 美メロとノイズで芸術性の高いインダストリアル・ハードコア
■DJ Promo メインストリームとアンダーグラウンドの架け橋的レーベルのボス
■The Outside Agency クロスブリードを生み出しトレンドを作ってきた最強ユニット
■[KRTM] 視覚的なハードコア・スタイルでテクノ界隈でも人気
■The Panacea New Framesとして活動するハードコア・ドラムンベースのパイオニア
■Disciples of Annihilation UVCとしてもスピードコアのクラシックを作った元祖
■Nasenbluten 壮絶な怒りと皮肉を込めたブレイクコアの源流でもあるユニット
■他N-Vitral、Igneon System、Dither、DJ Hidden、Tymonなど
OphidianやThe Outside Agencyといったシーンの重鎮からDJIPE、Kilbourne、Somniac Oneといった次世代のインダストリアル・ハードコアを代表するアーティスト達の貴重なインタビューにも成功しました。
インタビュー
Ophidian
The Outside Agency
Tripped
[KRTM]
DJIPE
Kilbourne
Somniac One
Thrasher
DJ Akira
Somatic Responses
OZIGIRI等々
インダストリアル・ハードコアも深く関わる2000年代に登場したドラムンベースとハードコア・テクノの混合スタイル「クロスブリード/ハードコア・ドラムンベース」のチャプターでは、2000年代から2010年代に放たれた革新的な作品を148枚ピックアップし、ドイツ、イギリス、アメリカ、オランダのアンダーグラウンド・シーンで巻き起こっていた刺激的なドラムンベースとハードコア・テクノの融合を今また振り返ります。
デス/ブラック・メタルを飲み込んだスピードコアやフラッシュコアといった超高速で展開する攻撃的なハードコア・テクノのサブジャンルにフォーカスした「エクストリーム・ハードコア・テクノ」、ハードコア・テクノの原点である実験精神に重きを置き挑戦を恐れずに固定化しない自身のスタイルを追い求めた「エクスペリメンタル・ハードコア」のチャプターも収録。
さらに、今回の番外編には関係者達がそのリアルな体験を語った「ハードコア・テクノ/Rave ミュージックとドラッグ」と、国内のハードコア・シーンの発展に注目した「日本ハードコア史」もあり、『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』よりも更に深いところに切り込んでいます。
またAcid Summitの書き起こし、DJ Myosuke & RedOgre対談、DJ C-TYPE、RoughSketchのゲストコラムなど多くの日本人ハードコア・テクノ関係者のご協力も得ています。
その為、前巻のオールドスクール編が272ページでオールカラーと、元々大著だったところが更に32ページも増えて、304ページに膨れ上がってしまいました。
カラフルなジャケットや写真が多く、白黒ページを挟むのも面倒なので、思い切って304ページでオールカラー、そして2700円という採算度外視の価格設定にしました。
印刷製本代の原価率がこの上なく、高くなってしまっている無謀な作りです。はっきり言ってお買い得です。
11月10日の週に発売予定です。ぜひお買い求めください。
前巻の『オールドスクール編』では
・90sハードコア・UKハードコアデジタルハードコア・レーベル・サブジャンル解説・Post Rave解説
といった内容を扱っていました。本編といえるインダストリアル編に比べて、「序章」といえるかもしれませんが、ハードコア・テクノを愛する人にとっては両方とも必携です。