突然ですが『ソウル25区=東京23区 似ている区を擬えることで土地柄を徹底的に理解する』を出版します。著者はトム・ハングルで知られる吉村剛史さんです。

よく「明洞=渋谷」「梨泰院=六本木」 と言われますが、それをソウル25区と東京23区、全ての区で擬えたものです。

デジャヴ           パラレルシティ

既視感溢れる並行都市

実はソウルと東京、人口・面積だけでなく区数までも拮抗するライバル都市と言えます。

ソウルは25区、995万人 605平方キロメートルの一方で、東京は23区、966万人 627平方キロメートルと、相当似ています。

そしてソウルにも全く同じ「江東区」があるのです。しかしこちらは東京の江東区より、葛飾区との共通点の方が多い事がわかりました。

また東京の江東区はソウルの広津区と似ていました。

韓国、ソウルに行った事がある人なら、どこか懐かしくて、見覚えがある街並みにデジャヴ感を感じた事があるのではないでしょうか?

人の顔つきやファッションも似ており、ハングルが見えなければ、日本の地方都市に居るのではないかと錯覚する事さえありえます。

しかし完全に一緒ではなく、小さなギャップが逆に新鮮で、面白く感じます。

まるでどこか平行世界(パラレルワールド)の様にも思えてきます。

そして(不謹慎ながら)日本と韓国が戦後も別れず、同じ国のまま続いていたら、一体どうなっていたのだろうか?と妄想してしまう事もあります。

実際、ソウルには日本の統治下で建設された建物や日本人が設計した建物も多くあります。

なのでソウルの街並みが東京が似ていてもおかしくはありません。

またハングルや発音ではあまり感じませんが、土地名や区名が漢字で書いてあると、あたかも日本の地方都市の区に思えてしまう事もありますね。

中区なんかは実際そうだし、東京の北部は城北と言いますが、ソウルには「城北区」があります。

住宅街・ベッドタウン・下町・スラム街・外国人街・工場地帯などの 雰囲気や特徴が掴め、韓流・K-POPの理解が深まる!

しかしソウルのガイドブックが扱うのはたいてい明洞や江南、弘大などの観光スポット。

実際に人々が訪れるのも、そういったメジャーな繁華街ばかりです。

しかし東京でも外国人観光客が訪れることはない、なんてことのない住宅街やベッドダウン、下町が沢山ありますよね。

最近は東京の知られざるエリアを探訪する街歩きがブームになってきています。

ソウルにも同じ様に、特に観光客を引きつける、目立つ見どころや特徴がないけど、一般市民が暮らす味わい深い街が沢山あります。

そういう無名な街の魅力や特徴を説明するのには一苦労しますが、「東京でいうと○○」と擬えると、なんとなく感覚が掴めます。

鍾路区=千代田区 官公庁や新聞社、金融機関など国の主要機関が揃う名実共に国の中枢

龍山区=港区 梨泰院や大使館が並ぶ漢南洞、在韓米軍基地などソウル一の国際区

麻浦区=品川区 絶景の漢江の川港、若者の街弘大やテレビ局が集まる近未来的な街も

東京の似た街やエリアで伝えると、よく理解できるのです。

また最近では『パラサイト』など韓流作品の舞台設定で、その土地が重要な意味を持っている事がありますが、事前にその知識がないとよく理解できない事があります。

例えば「江南スタイル」などのK-Popの歌詞や収録現場もその土地柄を知っているのと知っていないので、理解は全く異なります。

韓流やK-Popの作品に込められた意味を知る上でも、ソウルの土地勘を培う必要があるのです。

そしてそれはソウルを東京に置き換え、重ね合わせるという手法で、最も効果的に効率よく理解できると考え、この企画のコンセプトになりました。

もちろん必ず「=(イコール)」では結び付けられない区・街も多く、なぜそうとは言い切れないのかの解説もしており、それはそれで読み応えがあります。

他に瓜二つだったり、対抗意識を燃やされているのではないかとすら思える様な要素・物体が多いソウルですが、色んな角度から東京と比較したコラムを設けています。

ソウルにあるものを東京に擬える 2号線=山手線、延世大=慶應大学、NHK=KBSなど

近郊都市を擬える 議政府市=横須賀市、富川市=川崎市、水原市=さいたま市など

ソウルVS東京 ソウルタワーVS東京タワー、63ビルディングVSサンシャイン60など

各エリアの詳細な地図、冒頭80ページに渡るカラー写真、全部で20万字以上の盛り沢山の新感覚雑学地理アナロジー読本です。

384ページもあるのに2300円という良心的な価格設定。

なかなか以前の様にソウルに簡単に行けない日々が続いていますが、この本であたかもソウルの知られざるエリアを街歩きしている感覚に陥ってみてはいかがでしょうか?

早ければ1月15日頃には書店に並ぶ予定です。