突然ですが、『NISAは社会人のリトマス試験紙』という本を出版します!

著者は私、ハマザキカクです。

今までデスメタルだの旧共産圏だの世界史だの、普通の出版社があまり出さないような本ばかり作ってきましたが、突然NISAです。

何でお前がNISAの本を書くんだよ?

と思われるかもしれません。

自分でもそう思います。

ただし本書は、「新NISAの始め方」「おすすめ投資信託10選」「これを買えば老後も安心!」といった投資指南書ではありません。

むしろ扱っているのは、

なぜ、いくら説明してもNISAをやらない人がいるのか?

という問題です。

私は出版社を経営しているので、著者、編集者、印刷会社、デザイナー、書店員、取次、会社員、研究者など、かなり色々な職業の人と話す機会があります。

その中で、ここ数年、

「NISAやっていますか?」

と聞くことが増えました。

もちろんこんな質問は人によっては余計なお世話です。

しかし何人にも聞いているうちに、返ってくる答えがあまりにもバラバラで、しかもその人の性格や人生観が猛烈に滲み出ていることに気が付きました。

「そんな金はない」

「全部分かっている。でも面倒くさい」

「今さら始めても遅い」

「貯金しているから大丈夫」

「老後のために今を犠牲にしたくない」

「投資なんてギャンブルでしょ?」

「不労所得なんて不道徳だ」

「うちは昔から株には手を出すなと言われている」

「夫(妻)が反対するからできない」

「NISAなんて国の罠だ」

……など。

これだけ並べると、もうNISAの話なのか人生相談なのか分からなくなってきます。

そこで思ったわけです。

NISAって、その人の金融知識を測るものというより、「社会人として現実にどう向き合っているか」を見るリトマス試験紙なんじゃないか?

分からないことを「分からない」と言えるのか。

必要なら自分で調べられるのか。

将来の問題を自分の問題として考えられるのか。

自分の間違いを修正できるのか。

面倒くささを乗り越えて行動できるのか。

家族や周囲から違う意見を言われた時にどうするのか。

インフレ、円安、少子高齢化など社会の変化と、自分の生活を結び付けて考えられるのか。

NISAへの反応を聞いているだけなのに、その人のお金に対する考え方だけでなく、仕事観、家族観、国家観、責任感、自尊心、老後への姿勢まで見えてくるのです。

そこで本当にいろいろなタイプを集めてみました。

高収入で資産もあるため、まったく危機感が起動しない人。

世情に疎く、そもそもNISAの必要性が理解できない人。

投資を全部詐欺と同一視してしまう人。

十分な収入があるのに「そんな金ないですよ」と言い張る人。

家族に判断を丸投げしている人。

分からない制度を自分で調べる代わりに、保険会社に老後そのものを丸投げしてしまう人。

「今を楽しむことの方が大事」と言いながら、将来の問題を考えること自体を避け続ける人。

反資本主義的な思想から、株式投資そのものを道徳的に嫌悪する人。

こうして並べてみると、これはもう投資本というより、人間観察の本です。

もちろん、

「NISAをやっていない人間は全員ダメ」

という本でもありません。

病気や介護、失業、借金の返済中、海外在住など、NISAを利用しないことに合理的な理由がある人はいくらでもいます。

逆に、NISA口座を持っているだけで「金融リテラシーが高い」とも限りません。

よく分からないまま金融機関で勧められた商品を買っている人もいれば、自分なら相場の底を読めると思って売買を繰り返している人もいます。

だから本書で見ているのは、単純な

NISAをやっている/やっていない

ではありません。

問われているのは、

「なぜそうしているのか」

です。

そしてもう一つ。

この本から、弊社では新シリーズ「パブリブックレット」を始めます。

これまでのパブリブの本は、300ページ、400ページ、時にはそれ以上という、やたら分厚い本が多くなっていました。

もちろんそういう本は今後も出します。

一方で、一つのアイデアを思い付いた時に、100ページ前後で一気に論じ切る本があってもいいのではないかと思いました。

そこでB6判、112ページ、本体1500円。

従来の「世界過激音楽」シリーズなどとはかなり違う、ビジネスとサブカルの間ぐらいにある読み物として作ったのが今回の本です。

創刊号からいきなり、

『NISAは社会人のリトマス試験紙』

です。

我ながら面倒くさそうなシリーズが始まりました。

本書を読んでNISAを始める人が出てくるかもしれません。

逆に、

「NISAやってないだけで、なんでここまで言われなきゃいけないんだ!」

と激怒する人もいるかもしれません。

しかし、その反応まで含めて、

リトマス試験紙です。

そしてNISAをやらない人の言い訳集です笑

9月2日発送予定。

『NISAは社会人のリトマス試験紙』

ハマザキカク著
パブリブックレット1
B6判並製・112頁
1500円+税

よろしくお願いします。