突然ですが『世界売国奴列伝 裏切りと傀儡の肖像』を出版します!
著者は過去に『童貞の世界史』を出版されている松原左京さん。
本書は、世界史上「国を売った」「裏切り者」「傀儡」と呼ばれてきた人物たち59人を取り上げる、異色の世界史人物列伝です。
ペタン ヴェルダンの英雄からヴィシーの老元帥へ汪兆銘 和平救国を掲げ傀儡に沈んだ重鎮溥儀 皇帝の血脈に縛られた傀儡皇帝ベネディクト・アーノルド ウェストポイントを売った独立軍の勇将小早川秀秋 関ヶ原で豊臣を売ったとされた金吾クヴィスリング 独軍誘致で売国名詞化したクヴィスリング李完用 親露から親日に転じた併合宰相ミール・ジャアファル プラッシーで主君を売った太守軍司令秦檜 岳飛を葬り和議を結んだ南宋宰相タレイラン ウィーン会議で祖国を救った裏切り外交官
名前そのものが「売国」の代名詞となった人物もいれば、敗戦・占領・内戦・王朝交代・革命・外交危機の中で、後世から「裏切り者」と断罪された人物もいます。
しかし、本書が描くのは単純な勧善懲悪ではありません。
私利私欲か。
和平か。
王朝防衛か。
革命か。
生き残りか。
それとも、時代の流れを読み誤っただけなのか。
「国を売った」と呼ばれた者たちには、それぞれの論理がありました。
「売国奴」はどのように生まれるのか
売国奴とは、単に外国に協力した人間のことではありません。
その人物が置かれた政治状況、敗戦、占領、民族対立、植民地支配、王朝の崩壊、革命、内戦、そして後世の歴史認識によって、「裏切り者」という烙印は作られていきます。
たとえば、ナチス・ドイツ占領下のノルウェーで傀儡政権を率いたクヴィスリングは、その名が「売国奴」の普通名詞になるほど強烈な存在となりました。ヴィシー政権のペタンは、第一次世界大戦の英雄から、対独協力の象徴へと転落しました。中国の汪兆銘は、和平救国を掲げながらも、日本の傀儡政権の首班として記憶されました。
一方で、タレイランのように、祖国を裏切ったのか、それともフランスを救ったのか、評価が揺れ続ける人物もいます。小早川秀秋のように、日本史上の「裏切り」の代名詞となった人物もいれば、ベネディクト・アーノルドのように、独立戦争の英雄から反逆者へと転落した人物もいます。
本書は、そうした人物たちを世界各地から集め、「裏切り」とは何か、「傀儡」とは何か、「売国」とは誰が決めるのかを問い直します。
世界史の裏側から見る近現代史・前近代史
本書の面白さは、単に「悪人列伝」として読むだけではありません。
むしろ、敗戦国、占領地、植民地、王朝末期、革命期、外交的孤立の局面で、国家と個人がどのように壊れていくのかを見る本です。
売国奴と呼ばれた人物を追うと、その背後にある国際関係、権力構造、民族問題、軍事的圧力、経済的利害が見えてきます。
英雄と裏切り者は、しばしば紙一重です。
同時代の政治判断が、後世の勝者によって「売国」と名付けられることもあります。逆に、どのように弁護しても、やはり私利私欲のために祖国や仲間を売ったとしか見えない人物もいます。
本書は、そのグラデーションを一人ひとりの人生から描き出す、読み応えのある世界史人物事典です。
書誌情報
『世界売国奴列伝 裏切りと傀儡の肖像』
松原左京著
四六判並製
384頁
定価2500円+税
ISBN:978-4-908468-97-1
8月4日発送予定


