『デプレッシヴ・スイサイダル・ブラックメタル・ガイドブック』が出来上がりました。
著者はNo Point in Livingの長谷部裕介さんです。
副題が「DSBM=鬱・自殺系ブラックメタル」となっている通り、自殺や鬱を標榜したブラックメタルのサブジャンルです。
カバーを取り外した状態です。
DSBMに馴染みのない読者に、ジャンルを徹底解説。こちらでも見られます。
http://publibjp.com/books/isbn978-4-908468-26-1
基本的な構成としては、例えばLifeloverなど同ジャンルを代表する大御所のプロフィールとディスコグラフィーで成り立っています。
こういった大御所以外に、中堅、マイナーどころの音源レビューも掲載しています。
DSBMに大きな影響を与えたとされるKatatoniaの解説。
他にもBurzumやNortt、Abyssic Hate、Forgotten Tomb、Woods of DesolationなどDSBMがジャンルとして形成される前から活動していて、同ジャンルに影響を与えたバンド、一時期DSBMだったが後に別のスタイルに変化していったバンドなどもできる限り紹介しています。
実際に自殺してしまったDSBMミュージシャンを集めたコラム。左からは西ヨーロッパの章。
圧倒的な作曲クォリティで評価されるColdWorld。意外とオジサン風の見た目がギャップ。
DSBMで頻出する言葉を集めた「ネガティブ単語辞典」。
DSBMではLifeloverとともにトップクラスの影響力、人気を誇るチェコのTrist。岡田早由さんによる『東欧ブラックメタルガイドブック』でも紹介しています。
グルジアのPsychonaut 4。Lifeloverをより過激にした個性的なバンドが他には全くメタルバンドを思い出せない様なメタル不毛国から登場。
DSBMにおける自傷行為のコラム。
Viceで特集が組まれ、「ぼっちメタル」とも言われ、世間的には最も知名度が高いXasthur。
DSBM専門のレーベルというのは少ないみたいですが、DSBM作品をリリースしているレーベルの紹介。
中国の南昌を拠点にしながらも世界一流のDSBM、ポストブラック専門レーベルPest Productionsと、オーストリアの環境保護・反商業主義的な姿勢が顕著なTalheim Recordsへのインタビュー。
大分県で中華ブラックメタル路線を追究するEbola。Youta氏にはインタビューもしています。
本書の著者、長谷部さんのバンドNo Point in Living。
さすがに自分自身でインタビューするのは不自然なので、本書編集者ハマザキカクがインタビュー。
著者が海外レーベルとの契約も勝ち取っている現役ミュージシャンという事もあり、DSBMの作曲法、演奏法などを解説したコラム。これを読んで真似すれば、DSBMプロジェクトを開始できます。音の良さには拘らないどころか、良すぎると批判され、悪いほうが良いとまで言われる事もあり、お金がかからないのも同ジャンルの特徴。
DSBMでよく用いられるリフの楽譜。
以上ざっと簡単に『デプレッシヴ・スイサイダル・ブラックメタル・ガイドブック』の内容を紹介しました。既にネットではかなり話題になっています。
気になった方々は是非買ってみて下さい。