韓国いんちきマンガ読本

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世界マンガ読本 Vol.1
勝手にコミカライズ・映像化・二次盗作までありの韓コピ世界

大江・留・丈二(著/文)
ISBN 978-4-908468-37-7
C0079 四六判 320頁
価格 2,300円+税
書店発売日 2019年8月10日

 

 


紹介

「倭色禁止」にした結果
日本産マンガの海賊版が大流行!
勝手にセリフや舞台を韓国に置き換え
登場人物韓国人化、空手がテコンドーに!!

一時は市場の98%が海賊版。挙げ句に「同人誌の海賊版」まで出る始末

■ 日本統治下の京城で悪の日本空手界に戦いを挑む抗日烈士『テコンドーバカ一代』!
■ 登場人物はオール韓国人、日の丸マスクが太極旗、韓国軍へ徴兵されるタイガーマスク!
■ 日本で終了後も勝手に続編が制作され、ウリジナル・シリーズ化した海賊版『一撃伝』!
■ バットマンのバッタモノが朝鮮人民軍と戦う反北朝鮮・反共マンファ
■『鉄拳チンミ』が流行ると顔だけ『スラムダンク』桜木花道の胴体に移植して販売!
■ テコンVが亀甲船になり、ダメディア・ミックスが展開された韓国版『宇宙戦艦ヤマト』
■ アメリカ製と偽り、30年以上、韓国産コンテンツとして親しまれた『原爆少年アトム』
■『スターウォーズ』『スタートレック』『E.T』等世界の有名映像作品を勝手にマンガ化!
■『北斗の拳』『ドラゴンボール』『SDガンダム』等日本の有名マンガを勝手に実写化!
■ 日帝時代から朝鮮戦争、軍事政権、日本大衆文化の開放までの「韓国いんちきマンガ史」

中国・香港・アラブ・タイ・ブラジル・イタリア等各国いんちきマンガもカラーで紹介

目次

巻頭カラー 韓国いんちきマンガの魅力を大特集! 1
はじめに―パクリといんちき、および「韓国のいんちきマンガ」について 18

第1章 いんちき格闘マンガ 27

日本統治下の京城で悪の日本空手界に戦いを挑む抗日烈士『テコンドーバカ一代』崔倍達 28
韓国版『空手バカ一代』/韓国語タイトル『大きな野望』 대야망
登場人物はオール韓国人、マスクのデザインを日の丸から太極旗へ、韓国軍へ徴兵される、鬱エンディング 31
韓国版『タイガーマスク』/韓国語タイトル『タイガーマスクの対決』 타이거 마스크의 대결
韓国の貧民部落タルトンネ出身という設定で、背景や町並みをそのままトレースし、看板だけハングル化 35
韓国版『あしたのジョー』/韓国語タイトル『チャンピオン・ハリケーン』 챔피언 허리케인

第2章 いんちき『鉄拳チンミ』 39

他の格闘技やスポーツマンガの顔だけをチンミ化する、「顔だけすげ替えマンガ」という珍ジャンルを生み出す 40
韓国版『鉄拳チンミ』/韓国語タイトル『ヨンソヤ(龍少爺)』 용소야
『ブレイクショット』の主人公の顔を、勝手にチンミ化 42
韓国版『ブレイクショット』/韓国語タイトル『ナインボール皇帝ヨンソヤ』 나인볼 황제 용소야
『Theストライカー』の主人公の顔を、勝手にチンミ化 43
韓国版『Theストライカー』/韓国語タイトル『サッカー導師ヨンソヤ』  축구 황제 용소야
『帯をギュッとね!』の主人公の顔を、勝手にチンミ化 44
韓国版『帯をギュッとね!』/韓国語タイトル『柔道皇帝ヨンソヤ』  유도황제 용소야
『ぶっちぎり』の主人公の顔を、勝手にチンミ化 46
韓国版『ぶっちぎり』/韓国語タイトル『野球皇帝ヨンソヤ』  야구황제 용소야
『スラムダンク』の主人公の顔を、勝手にチンミ化 47
韓国版『スラムダンク』/韓国語タイトル『スラムシューター・ヨンソヤ』 슬램 슈터 용소야
ヨンソヤ・ブームに便乗し、二次盗作、三次盗作まで登場し、チンミ・ユニバースの衰退期を形成 51
韓国版『鉄拳チンミ』の二次盗作 韓国語タイトル『黒い翼ヨンホヤ』 검은날개 용호야

第3章 いんちき『一撃伝』 53

日本で連載終了後も勝手に続編が制作され、パクリ技法の進化と発展に影響をもたらした国民的海賊版コンテンツ 54
韓国版『一撃伝』/韓国語タイトル『拳法少年』 권법소년
フンドシはブリーフに置き換え、検閲対策の為、パンチラ入浴シーン微調整、二大パクリ出版社のローカライズ戦略 58
韓国版『コータローまかりとおる!』/韓国語タイトル『(ニッコリ文庫版)拳法少年』 빙그레 문고판 권법소년
『拳法少年』の正統な続編?にも関わらず、即打ち切り 61
韓国版『一撃拳』/韓国語タイトル『帰ってきた拳法少年』 돌아온 권법소년
パクリ模写技術が飛躍的に進化。トレース職人の技術が冴えわたる人気格闘マンガの顔挿げ替えマンガ 62
韓国版『修羅の門』/韓国語タイトル『第2の拳法少年』 제2의 권법소년
新興出版社による『一撃伝』の三次盗作『海の戦士』を韓コピし、主人公の顔だけを、坂本一撃に挿げ替え 66
韓国版『海の戦士』/韓国語タイトル『拳法少年 海の戦士』 권법소년 바다의 전사
競馬マンガ『風のシルフィード』の主人公の顔だけを一撃化、タイトルの「拳法」要素はもはや皆無 68
韓国版『風のシルフィード』/韓国語タイトル『拳法少年と嵐のハリケーン』 권법소년과 폭풍의 허리케인
パンチラゴルフ漫画『ホールインワン』からの剽窃だが、肝心のパンチラ描写が全くない、誰得マンガ 70
韓国版『ホールインワン』/韓国語タイトル『天才少年ハン・ジュモク』 천재소년 한주먹
舞台は南米で、いろんな作品からキャラや必殺技をパクリまくった、韓国パクリ格闘マンガの金字塔 72
韓国版『一撃伝』の四次盗作 韓国語タイトル『第3の拳法少年』 제3의 권법소년
ストーリーは完全オリジナルなのに、画力が衰退したキャラパク・マンファの総合商社 74
韓国版『一撃伝』の五次盗作 韓国語タイトル『クンタ』 쿤타

第4章 いんちきSFマンガ 77

韓国配給前に勝手にコミカライズ、女性とメカ描写は酷いが、他の主要なキャラクターは渋くて男前に 78
韓国版『スターウォーズ』/韓国語タイトル『スターウォース』 스타워스
劇場未公開、テレビ放映打ち切りの名作SF ドラマ。カーク船長が宇宙戦艦ヤマトっぽい制服を着用し、宇宙探査 86
韓国版『スタートレック』/韓国語タイトル『スタートレック』 스타 트렉
ミリタリーマンガ大御所による、アジアでは唯一の英国SFドラマ『ドクターWHO』の無版権コミカライズ版
韓国版『ドクターWHO』/韓国語タイトル『DOCTOR WHO 逃亡者達』 닥터후 도망자들
パクリ・マンガ、パクリ・アニメ、パクリ・グッズが売れまくり、勝手にダメディアミックスが展開される 92
韓国版『ET』/韓国語タイトル『E.T.』 이티
アメリカ軍が持ち込んだトレード・ペーパーバックが闇市場で流通し、多種多様ないんちきスーパーマンが誕生 96
韓国版『スーパーマン』/韓国語タイトル『火星の超人』  화성의 초인
反共・反北朝鮮マンガに登場し、朝鮮人民軍と戦うなど、マンガだけにとどまらず、アニメや実写で勝手に大活躍 100
韓国版『バットマン』韓国語タイトル/『祖国の三兄妹』 조국의 삼남매
テコンV が魔改造され亀甲船に。アニメやマンガ等、ダメディア・ミックスが展開されるも、不発のまま玉砕 105
韓国版『宇宙戦艦ヤマト』韓国語タイトル/『銀河艦隊地球号』 은하함대지구호
セミヌードや暴力シーンは修正されながらも、大人でもマンガやアニメを楽しむ風潮を生み出した人気作 107
韓国版『銀河鉄道999』/韓国語タイトル『宇宙旅客船』  우주 여객선
『竹取物語』が原案で、テレビアニメ放映中、神社や着物がそのまま放送され、大炎上したまま打ち切りとなる 109
韓国版『1000年女王』/韓国語タイトル『千年女王』 천년 여왕

第5章 いんちきロボットマンガ 111

アメリカ製と偽り、30年以上、韓国産コンテンツとして親しまれ、『原爆少年アトム』というタイトルでも出版 112
韓国版『鉄腕アトム』/韓国語タイトル『原爆少年アトム』  원폭소년 아톰
「鉄人」はロボットと同義で用いられ、マグマ大使や8マンに置き換えたものなど、いくつものシリーズが刊行 115
韓国版『鉄人28号』/韓国語タイトル『鉄人X』 철인Ⅹ
主役ロボは『ジャイアンロボ』の敵メカだが、40年以上の間、出版され続けている、いんちきマンガ界のロングセラー 118
韓国版『GR2/ジャイアントロボ』/韓国語タイトル『ロボットキングと海の魔女』 로보트 킹와 해저마녀
韓国のマンガやアニメに多大な影響を与えた『バビル2世』の続編『バビル3世』が勝手に出版され、ブームは終息 120
韓国版『バビル2世』/韓国語タイトル『バビル3世』 바벨 3세
『テコンV』ユニバースに勝手に組み込まれながらも、ヌンチャクで闘う無国籍なグレートマジンガー 124
韓国版『マジンガー』シリーズ/韓国語タイトル『テコン鉄人』 태권 철인
公式にテレビ放送されないまま、ガンプラブームだけが韓国を席巻し、続編として『ゼット・ガンダム』が刊行 133
韓国版『Zガンダム』/韓国語タイトル『宇宙ロボットZ(ゼット)ガンダム』 우주로봇 Z건담
テコンVが、ズォーダー大帝率いる巨大テッカマンや日本のスーパーロボット軍団と闘う気が狂ったロボットマンガ 135
韓国版『スーパーロボット大戦』/韓国語タイトル『ロボット水中特攻隊』 로보트 수중특공대
タイ版「スーパーロボット大戦」の迷作『Super Machine』 155

第6章 いんちきマンガ原作映画 159
苦難乗り越え成長するヒロイン「キャンディ型主人公」。『冬ソナ』モチーフにもなった国民的コンテンツの幻の実写化 161
実写版『キャンディキャンディ』/韓国語タイトル『キャンディキャンディ』 캔디 캔디
亀ニンジャ達が悪のネズミ宇宙人の韓国侵略を阻止する為マシンロボのバトルアーマー5に搭乗しロボット戦を展開 163
実写版『TMNT』/韓国語タイトル『僕らの友達パワー5』 우리들의 친구 파워 5
シム・ヒョンレ(亀仙人)とホ・ソンテ(悟空)。韓国いんちき特撮界屈指の二大スターによる夢の競演 165
実写版『ドラゴンボール』/ 韓国語タイトル『ドラゴンボール』  드래곤 볼
主人公が終始、気が狂ったように笑い続けるため、ストーリーが全く記憶に残らない迷作 168
実写版『黄金バット』/韓国語タイトル『ヨングと黄金バット』 영구와 황금박쥐
原作のいんちきマンファが一世を風靡し、何作もの実写映画が製作されるが、突然、主人公が変更され強制終了 170
実写版『鉄拳チンミ』/韓国語タイトル『ヨンソヤ』 용소야
原作のいんちきマンガが大人気となり実写化されるも、映画はヒットせずブームも終焉を迎える 172
実写版『一撃伝』/韓国語タイトル『拳法少年』 권법소년
霊界探偵編の韓コピ、浦飯幽助は30過ぎのおっさんで、蔵馬役は現役女子中学生、正式な版権得てる疑惑も 173
実写版『幽☆遊☆白書』/韓国語タイトル『間抜けな幽霊』 정신나간 유령
ドラゴンボールの偽悟空がピンチになると、牙の生えた等身大着ぐるみのSDガンダムに変身! 174
実写版『SDガンダム』/韓国語タイトル『カンタグ・ファイター』 깡다구 화이터
原作に功夫要素はまったく無いが、功夫アクション映画として、無理矢理実写化 176
実写版『まじかるハット』/韓国語タイトル『魔法少年ヨン・ホチ』 마법소년 용호치
「トリビアの泉」でユリアがブサイク、ラオウが虚弱体質と紹介された、いんちき実写映画を代表する超名作 177
実写版『北斗の拳』/韓国語タイトル『北斗の拳』 북두의권
ビデオのジャケットは『逮捕しちゃうぞ』だが、『逮捕しちゃうぞ』要素は皆無 180
実写版『シティーハンター』/韓国語タイトル『新シティーハンター/都市の狩人』 신 시티헌터 도시의 사냥꾼
メインキャラ以外は20~30代のおっさんが小学生役を演じ、それをアニメ声優がアテレコする、狂気の作品 182
実写版『ドッジ弾平』/韓国語タイトル『炎シュート・トンキ』 불꽃슛 통키
バスケットボールと功夫アクションとのハイブリッド、原作マンガでは全員左利き、文字も左右反転したまま 184
実写版『スラムダンク』/韓国語タイトル『パワースラムダンク』 파워 슬램덩크

特別センターカラー 世界のいんちきマンガ 187
香港のいんちきマンガ 189
イタリアのいんちきマンガ 195
タイのいんちきマンガ 212
アラブのいんちきマンガ 229
中国のいんちきマンガ 248
ブラジルのいんちきマンガ 260

第7章 韓国いんちきマンガ史 273

図版の出典 316

参考文献 317

後書 318

前書きなど

はじめに丨パクリといんちき、および「韓国のいんちきマンガ」について

パクリと言えば、中国を連想する人も多い。例えば、「ディズニー」という語句で画像検索すると、夢と魔法の世界が画面いっぱいに現れるが、「ディズニー」の後に「中国」というキーワードを追加するだけで、薬をキメたような目をした黒鼠、狂気を帯びた着ぐるみキャラ、そして、中の人がフェイス・オフしVサインしている画像が、モニターを埋め尽くす。最新のAIがそう判断しているのだから(グーグルの印象操作という可能性も否めないが)、そのイメージに間違いはないだろうし、実際に海外で買い物をしていると、海賊版やパクリ商品は、中国(若しくは、各国にあるチャイナタウン)で目にする機会が多いのも事実だ。その集団意識に対して、異議申し立てをするつもりは毛頭ない。
そのいっぽうで、「パクリ」と「著作権侵害」との間には、「表現の自由」という名の高くて厚い壁が存在し、更に時代背景や法的環境なども勘案すれば、「パクリ」だが「著作権侵害」には該当しないコンテンツの割合は、圧倒的に大きい。本書で取り上げる「韓国のいんちマンガ」も、その一つと言っていいだろう。
とは言っても、朝鮮戦争であらゆる産業基盤を失い、世界最貧国に数えられていた時代に出版された「韓国のいんちきマンガ」を、「パクリ」と一刀両断してしまう傾向には、少々違和感を覚える。それは、文化的に成熟した西洋諸国の一方的な価値観の押し付け、とも言えなくもないが、そもそも、西洋諸国の文化的基盤である、旧約聖書の創世記の一説『ノアの方舟』が、『ギルガメッシュ叙事詩』のパクリと言われている。また、西洋白磁を代表するドイツの名窯マイセンも、日本の伊万里焼からデザインを数多くパクっており、さらに伊万里焼(有田焼)自体、文禄・慶長の役で、朝鮮人陶工を多数拉致し、文化剽窃したことで誕生・発展してきた。マンガに関して言えば、手塚治虫の『バンビ(鶴書房、1951年)』や『ピノキオ(鶴書房、1951年)』、水木しげるの『プラスチックマン(壽書房、1958年)』や『飛だせ!ピョン助(兎月書房、1958年)』、桑田次郎の『ロケット太郎(集英社、1956年)』なども、言い訳できないレベルだ。
また法律や社会規範が変容したことによって、以前は慣例的に認められていたものが、現在の基準では犯罪となってしまう、といった事例も枚挙にいとまがない。1970~80年代の韓国における、日本文化の剽窃もその一つと言えるが、日本でも同じ頃、富士アート出版の『聖少女』、ダイナミックセラーズの『プチ・トマト』、白夜書房の『Hey! Buddy』といったロリコン写真集や変態エロ雑誌が次々と刊行され、「毛が生えているものは猥褻(違法)だが、毛のないワレメはセーフ」という、アクロバティック過ぎるロジックを掲げながらも、大々的に喧伝・消費され、それなりにブームが形成されていた。さらに同じ頃、飛行機内や通勤電車、映画館の中では喫煙が許されていたことも併記しておきたい。現在では、中国や韓国のパクリ文化も、日本のロリコン文化も(あるいは、犬食、鯨食、喫煙などに対しても)否定的かつ不寛容な意見が支配的だが、そういった現代社会史的な文脈から、「パクリ」や「いんちき」について分析・考察する事は、表象文化論的には意義があるようにも思える。
さて、それでは「いんちき」と「パクリ」の違いとは何だろうか?かつて、世界一偉大なヘヴィメタルバンド(を自称している)マノウォーは、「世の中の音楽は、真のメタルとそれ以外のものに分けられる」という名言を残したが、果たして、「いんちき」と、それ以外のもの(パクリ、模倣、剽窃、盗作、オマージュ、パスティーシュなど)を分けることは可能なのだろうか?本書では、そのような無意味な考察(「いんちき」と「パクリ等それ以外」との違い)は一切放棄し、著者が世界中で見つけた気が狂ったマンガ、特に韓国のいんちきマンガに焦点を当て、粛々と紹介していきたい。
本書の構成は、次の通りだ。
第1章では、日本では誰もが知っている「格闘マンガ」の古典が、韓国ではどのようにローカライズされ、出版されたのか、そして、これらの格闘マンガが、1970年代に人気を博した結果、韓国内でどのような影響が生まれたのか、という点を見ていきたい。第2章と3章では、前章(1970年代のいんちき格闘マンガ)からの流れを受け、韓国内におけるパクリ技術の発展が、「1980~90年代の格闘マンガ」に、どのような影響を及ぼしたのか、模写技術や編集技術の進化過程と比較しながら解説したい。私が「韓国のいんちきマンガ」に魅了されたのも、この章で取り上げた、ダイナミック・プロ(説明は後述する)社の「人気格闘マンファ(韓国語で「マンガ」の意)」シリーズに依るところが大きい。
第4章では、韓国のいんちきマンガのターゲット/スコープが、どれくらいの広がりを見せていたのか、その一例として、「SFマンガ」というジャンルに焦点を当て、個々の事例を紹介する。マンガに限らず、アニメ・映画・ラジオドラマなど、あらゆるメディアでパクリが行われ、ダメディア・ミックスが展開された状況を概観していく。また第5章では、1970~80年代、子ども達の間で大ブームとなった「巨大ロボットアニメ」と密接な関係を持つ、「いんちきロボットマンガ」にターゲットを絞り、その奥行き(どこまで深くパクリが浸透していたのか)を解説する。特に、我々日本人でも知らないような、超マイナーなロボットや特撮作品から剽窃しているマニアックさに、注目いただきたい。
次の第6章では、近年、世界的にも注目が集まっている「マンガ/コミックの実写映画」というテーマに関連し、1990年代の韓国で、勝手に実写化された「マンガ原作映画」を紹介する。これまで、同人誌やミニコミ誌で細々と紹介はしてきたが、商業出版、しかもフルカラーで、韓国の「いんちきマンガ原作映画」の魅力を伝えられのは重畳の至りだ。
そして最終章の「韓国のいんちきマンガ史」は、本書のまとめ的な内容で、最初は補足のつもりで書き始めたが、書き進めるうちに最も力が入ってしまったパートだ。ここまで(第1から6章まで)は、面白さ優先(あるいは酷いもの優先)で「韓国のいんちきマンガ」を紹介してきたが、真面目な分析や考察も必要と感じ、手元にあった資料(巻末の参考文献を参照)を中心にまとめようとした結果、予想以上のボリュームになってしまった。ただし、真面目な文章が延々と続くのは忌避したかったので、図版については、インパクトのあるものを掲載している。何故、20世紀の韓国で、これだけ「いんちきマンガ」が普及していったのか、その理由を解明する一助になれば幸いである。
それでは、「韓国いんちきマンガ」の世界をお楽しみください。

著者プロフィール

大江・留・丈二(オーエ ル ジョージ)
パチモン・ハンター(具現化系)1970年、山形県生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科前期課程修了、IT会社勤務。「と学会」「日本マンガ学会」「ダリオ・アルジェント研究会」「ハマー・フィルム研究会」「スターフリート東京」などに所属。共著に『アニメのかたろぐ 1990-1999』『と学会25thイヤーズ!』『マンガ論争』『まぐま : サブカルポップマガジン』『怪奇短編劇画集 蝸牛』など。『韓国アニメ大全』にて編集協力。

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