突然ですが、『ソ連歌謡 共産主義体制下の大衆音楽』を出版します。著者は蒲生昌明さんで、『共産趣味インターナショナル』シリーズの第7弾です。

民謡・クラシック・革命歌だけじゃなかった!

鉄のカーテンの向こう側で

グループサウンズ・ポップス・ロック・ディスコ等

あらゆる音楽が鳴り響いていた!!

リアルタイムのモスクワ放送リスナーで、
現地に通い続けた愛好家が約100アーティストを完全解説!!

日本でソ連の音楽というと、学生運動が盛んだった時代に歌声喫茶が流行ったので、ロシア民謡のイメージが強いです。

またショスタコーヴィチやハチャトゥーリアンと言ったクラシック音楽を思い出す人も多いでしょう。

その一方で四方宏明さんによる『共産テクノ』で共産圏にも電子音楽が存在した事が明るみになりました。

それでは一般大衆が聴いていたグループサウンズやポップス、一般歌謡やロックはどうだったかというと、この『ソ連歌謡』が徹底解明しています。

4部構成で;

★第一章 戦中・戦後を 彩ったベテランたち
・民謡歌手として来日したこともあるソ連の美空ひばり、リュドミラ・ズィキナ
・アゼルバイジャン出身ソ連のダンディー、ムスリム・マゴマエフ
・ソ連のフランク・シナトラ、イオシフ・コブゾン
・ソ連の島倉千代子、ワレンチーナ・トルクノーワetc…

★第二章 「停滞の時代」の停滞しなかった音楽
・ブームを牽引した、サマツヴェートゥイ
・イギリスのビートルズ旋風に匹敵するプガチョワの登場
・ソ連のジョーン・バエズ、ジャンナ・ビチェフスカヤ
・ダビングを通して叫びがソ連全土に伝わった、ウラジーミル・ヴィソツキイ
・ソ連のミック・ジャガー、ワレリー・レオンティエフetc…

★第三章 映画の中の音楽
・チェブラーシカと大児童合唱団、そして児童歌謡とシャインスキイ
・現代音楽の巨匠シュニトケの映画音楽
・「惑星ソラリス」だけではない、エドゥアルド・アルテミエフetc…

★第四章 ソ連の中の諸民族
・星のごとく登場したソ連のYMO、ゾディアーク
・ソ連最大のヒットメイカー、ライモンド・パウルスとラトビア
・スラブとラテンの接点で生まれ育った、ソフィヤ・ロタール
・イスラム版ディスコサウンド
・末期ソ連に登場した朝鮮族のロック・スター ヴィクトル・ツォイ
・「東側」でアイドルになったアメリカ人、ディーン・リードetc…

といった盛りだくさんの内容になっています。全部で100人前後の歌手・アーティストを取り上げており、文字通り「ソ連歌謡」の基本的概説書と言ってもいいでしょう。

著者の蒲生さんは冷戦時代に度々、ソ連を実際に訪れ、リアルタイムでモスクワ放送を聴き続けてきました。

モスクワ放送のアナウンサーだった方々や新世界レコードのスタッフなど、日本でも数少ないソ連音楽関係者と深い交友関係を築き上げてきており、その知識は豊富です。

YouTubeなどで検索しやすい様に、「検索キーワード」を必ずどのアーティストにも掲載した上で、作品名も全てロシア語や原語を併記しているという、初心者にも親切な設計。

数々のレコードのジャケットを掲載し、当時の雰囲気も伝わってきます。四六版並製オールカラーで224ページもありながら、2300円。

本日、印刷所に入稿を果たしたので、無事問題なく進めば、12月10日頃までには発売予定です。

是非手に取って見て下さい。