パブリブ Presents 『第二帝国』刊行記念。メイド・イン・ジャーマニーの謎に迫る!

日時:2017年11月30日(木)19時~21時
出演:伸井太一(ドイツ製品史ライター)、小野寺賢一(ドイツ文学研究者)

メイド・イン・ジャーマニー。この言葉は、「我がドイツの科学力・医学・薬学は世界一ィィィ!」とついつい叫んでしまうほど、高性能で質実剛健なドイツ・イメージと結びついている。だが、もともとは「ドイツ製の粗悪品」を表す言葉だった。
1871年から1918年まで存在していた「第二帝国」ドイツの時代は、まさに「ドイツ=高品質イメージ」が生まれた時期だった。たとえば、20世紀初頭のノーベル賞受賞者は、その3分の1がドイツ系の学者が占めた。レントゲンやヘルツなど、今でも聞き慣れた単語はドイツ人科学者の名前だし、ベンツやライカなども発明家の名前に由来している。そして、科学だけではなく消費文化も花ひらく。ぬいぐるみ「テディベア」、お肌のクリーム「ニベア」、鉄道模型マニア垂涎の「メルクリン」、日本の海外食品ショップでも買えるクッキー「ライプニッツ」なども、第二帝国の時代に生みだされた。さらに、ドイツ巨大主義は記念碑などの建造物を通じて「ドイツ=ゴツい」イメージを定着させた。ほかにも、帝国宰相ビルマルクによる社会保障制度のはじまり、社会民主主義のはじまり、さらにはヒトラーにもつながっていく民族主義的な右翼思想などなど、100年以上の前の第二帝国の歴史は、その後にも絶大な影響を与え、現代とも密接につながっている。
『第二帝国』刊行記念の今回は、第二帝国ドイツの歴史的・社会的背景を押さえつつ、メイド・イン・ジャーマニーの謎に迫ってみたい。ドイツ好き、歴史好き、かわいい雑貨ファン、質実剛健な製品マニアまで、必見!